もし、過去に戻って人生をやり直すことが出来たら…
ということで、今回は『Life Is Strange(ライフイズストレンジ)』のレビューになります。
プレイヤーの選択によって、物語が変化する「オープンシナリオアドベンチャーゲーム」。
”ストーリーが命”なので導入エピソード以外は、ネタバレを極力控えてのレビューになります。
あまり知られていませんが、『ライフ イズ ストレンジ』は、全世界で300万本以上を売上げ、アメリカ・欧州で多くのゲームアワードを受賞しています。
序盤の大まかなストーリー
『ライフ イズ ストレンジ』は、主人公のマックスと親友のクロエによって物語が展開していきます。
以下、最序盤の大まかなストーリーです。
ある日、突然時間を巻き戻す力を手に入れたマックス。
とあるきっかけで、親友のクロエと5年ぶりの再会を果たす。
クロエには、レイチェルという新たな親友がいたが、半年前に行方不明となっていた。
時間を巻き戻す力を得たマックス。
そんなマックスと、5年ぶりの再会を果たしたクロエ。
偶然なのか必然なのか。
2人が出会い、行方不明のレイチェルを探し始める……。
物語自体は、マックスが通う「ブラックウェル高校」を中心に展開されますが、最終的には「アルカディア・ベイ」という街そのものを巻き込む話へと発展していきます。
マックスとクロエ。そしてレイチェル。
それでは、鍵となる人物を紐解いていきます。
【マックス】
主人公で、18歳の女子学生。
内向的な性格で、自分のことを「オタク女子」と揶揄する場面から、自分に自信を持てない性格であることがうかがえる。
写真家になることに憧れがあり、常にインスタントカメラを持ち歩いている。
「自撮り」が趣味。
時間を過去に戻せる「タイムリープ」の力を得たことで、マックスを取り巻く人々や街が次々に変化していく……。
【クロエ】
マックスの親友。19歳。
親友であるマックスの引っ越しや、父親の死という不幸が続く。
マックスがいない間に、レイチェルという新しい親友を得るが、その親友も行方不明に。
すべてを失ったクロエはハイスクールを中退し、徐々に素行が荒れていく。
5年ぶりにマックスと再会し、「タイムリープ」という力を得たことを知り、過去を紐解くことで、レイチェルの行方を探すこととなる。
【レイチェル】
クロエの親友。
モデル並みの容姿や独特の魅力を兼ね備えていたこともあり、ハイスクール内では人気者であった様子。
行方をくらますような素振りもなかったため、なぜ、行方不明になったのかは全くの謎である。
本質は”友情”と”絆”。それを彩るのは”サスペンス”。
先に紹介したように、『ライフ イズ ストレンジ』はマックスとクロエを中心に物語が進んでいきます。
最初、私は2人の”友情”や”絆”を描いた心温まるストーリーが展開されると思っていたんですよ。
確かに、この物語の本質は”友情”と”絆”だと思います。
しかし、それに彩りを添えたのは、”サスペンス”だと感じました。
マックスとクロエの5年ぶりの再会は、2人の間に”溝”を開けるには十分な期間でした。
お互いを懐かしむことはあっても、「空白の時間」が2人を度々衝突させる原因となります。
しかし、時をさかのぼることで、ねじれた糸が少しづつ解(ほど)けるかのように、2人を親友だった頃へと”引き戻して”いきます。
こういった2人のやり取りは、まさに”友情”と”絆”そのものです。
ただ、『ライフ イズ ストレンジ』には、もう1つ重要な要素があります。
それは、「行方不明のレイチェルを探す」ということ。
これが、この物語を全く予想しえない方向へと向かわせることとなります。
このストーリー展開が圧巻の一言!
まさに「サスペンス」でした。
ゲーム未経験者でもプレイできるシンプルな操作
ここでいったん『ライフ イズ ストレンジ』のゲームシステムについて紹介します。
操作は非常にシンプルで、やることは3つしかありません。
- フィールドを移動して、ヒトやオブジェクトを選択(会話)する。
- ストーリー進行中に提示される”選択肢”を選択する。
- 時間を巻き戻す
これだけです。
難しいアクション要素もありませんし、RPGのように複雑なステータス画面も存在しません。
また、ゲームオーバーという概念もありませんので、必ず最後まで物語を追えるようになっています。
そのため、
ゲーム初心者の方でもとっつきやすく、最後までプレイできる
というのが非常に魅力的です。
クリアまでの時間も15時間ほどなので、サッと遊べてしまうのも良いです。
「タイムリープ」と「カオス理論」
『ライフ イズ ストレンジ』では、主人公のマックスが過去や未来に起こる悲劇を回避するために「タイムリープ」の力を使って”過去を変えて”いきます。
ただ、これがすべて思い通りに作用するわけではありません。
予想だにしない、全く違う未来を作り上げてしまうこともあります。
『バックトゥザフューチャー』でもありましたよね。
違う未来が展開されていることが……。
これが『ライフ イズ ストレンジ』でも起こります。
ストーリーでも出てきますが、ほんの小さな変化が未来に大きな影響を与える「カオス理論」が物語上で展開されます。
「過去を巻き戻す」という時点でこういった展開はある程度想像出来たと思いますが、想像以上の展開があなたを待ち受けます。
映像の構図やBGMがバツグン
ハッキリ言って、『ライフイズストレンジ』のグラフィックはそこまでリアルではありません。
人物や風景・建物などは、デフォルメによってやや簡略化されたグラフィックになっています。
ただ、
映像の構図や音楽がバツグンに良い
です。
風景の描写
人物との対比
優しく流れる音楽
プレイする手を止めて見入ってしまうほどに、”安らぎを覚える”ことが多々あります。
そのため、グラフィックに依存せずともその映像に見入ってしまうことに気づいたときは感動しました。
総評
繰り返しにはなりますが、『ライフ イズ ストレンジ』のようなオープンシナリオアドベンチャーのゲームは、ストーリーが命です。
そのため、このレビュー記事もストーリーについては、なるべく触れずに書いているため、抽象的でぼやけたものになっているかもしれません。
ただ、1つ確実なことを言うと、『ライフイズストレンジ』のストーリーは映画でもドラマでも再現できません。
なぜなら、
すべてを選択するのは”あなた”
だからです。
過去を、
未来を受け止めて、
あなたが選んだあなただけの物語を体験してください。
コメント
コメント一覧 (4件)
ライフイズストレンジって洋ゲーな雰囲気ですがスクエニなんですね。
海外で多くの賞を得ているということで海外での知名度は高そう。
スクエニの開発力は凄いなっていつも思います。
ゲーム性を特に重視する傾向にある私ですがFFの影響で心打たれるストーリーも大事だなぁって思うようになりました。
この作品はすぎたさんなど多くの方が絶賛しているので動画ではなく実際にプレイして楽しんでみたいと思います。
確かに洋ゲーの雰囲気はありますが、台詞回しはビックリするほど現代日本風ですw
「プレイするドラマ」という感覚が強いですね。
難しい操作を全く必要としないので、一見退屈に思われそうですが、その分ストーリーに集中できるので没入感が半端ないですw
結構楽しめると思いますので、時間があるときにプレイしてみて下さいね☺️
レビュー書きあがったんですね、おつかれさまです
序盤のあらすじを読んだだけでも”グッ”とくるところがありますね。
5年という月日はきっとだれにとっても途方もない時間で。
その間にできた溝を埋めよう、お互いに歩み寄ろうとしているのに
何気ない一言でその場の空気が一気に冷えて気まずくなったり。
実体験のある出来事を思い出して、勝手に心に響いています(笑)
ジュブナイルなお話は大好物なので、いつかプレイしてみたいと思います。
レイチェルはどこに行っちゃったんだろう…気になる!
レビュー読んで頂きありがとうございます!
パリジャンさん同様に、似たような経験されている方も多いと思いますし、その思い出と重ね合わせてプレイする人もいるでしょうね。
先の展開が全く読めないので、没入感が凄いですよ。
もちろん、レイチェルの行方も……。
3000円位で買えるので、時間が出来たら是非プレイしてほしいゲームです