今回は『ENDER LILIES(エンダーリリィズ)』をレビューしていきます。
ゲームジャンルは「2D探索アクション」で”メトロイドヴァイニア”と呼ばれる部類になります。
このゲーム、非常に評価が高い作品として知られてますが、2D探索アクション好きの私も大満足の作品となりました。
個人的には「2D探索アクションの入門」として超オススメするゲームです。
呪いの運命にあらがう少女と騎士の物語
ストーリー
『エンダーリリィズ』 のストーリーですが、いわゆる”ダークファンタジー仕立てのストーリー”となっています。
昔々の「果ての国」にて。
突如降り始めた「死の雨」は、あらゆる生き物を凶暴な”穢者(けもの)”へと変えていった。
「死の雨」の悲劇に成す術もなく、王国は滅びを迎えた。
呪いであるかのように降り続ける止まない雨。
滅んだ世界のとある教会で、一人の少女「リリィ」は目覚める…。

目覚めたばかりのリリィのそばには一人の”不死の(黒)騎士”がいて、彼は言います。
「お前も記憶を失っているのか」と。
そう。リリィには記憶がありません。
このゲームは、リリィの記憶を取り戻し、果ての世界で起こったことを解き明かすことが目標となります。
ただ、物語の序盤でリリィは「穢者を浄化できる唯一の白巫女」であることが分かり、旅をしながら穢者となった人々を浄化していく事となります。
“ギャップ”のある世界観

このように、
「ディストピアと化した”絶望的な世界”の中を、”一人のか弱い少女”が浄化(開放)していく」
というギャップが非常に良いです。
また、リリィの動作も非常に可愛らしいのも特徴的です。
なんでしょう…、世界観は絶望そのものなので、リリィの可愛さが余計に目立つんですよね。
ただ、浄化(開放)を行うごとにリリィはその穢れに浸食されていくようで、見た目(特に髪)が黒く染まってくように見えるんですよね。
悲しい運命を背負っていることを考えると、よりリリィに感情移入してしまいます。
最終的に「なぜゲーム名が『リリィ』ではなく『リリィズ』なのか?」という点にも着目してゲームを進めると、よりその世界に引き込まれていきますよ。
ゲームシステム
では、『エンダーリリィズ』 のゲームシステムを見ていきましょう。
探索の楽しさ
『エンダーリリィズ』 は、広大なエリアを探索していく2D探索アクションゲームになります。
道中にある様々な仕掛けを解いたり、スキルによってこれまで行けなかったエリアに行くことが出来たりと探索の幅が広がってく楽しさに溢れています。
また、こういった”メトロイドヴァイニア”の作品はグラフィックが良いのも特徴的です。
特に『エンダーリリィズ』は荒廃した世界の中に幻想的に広がる景色がとても美しいです。

画像にあるように、水面に反射する風景や大きな樹木も神秘的ですよね。
こういった景色に出会えるのも探索の醍醐味だったりします。
「スタンド使い」のようなバトル

『エンダーリリィズ』の主人公であるリリィは”か弱い少女”であるためか、自身による攻撃手段は一切ありません。
リリィの周りに存在する不死の騎士たちがその攻撃(特殊な行動)の役割を担います。
これ、『ジョジョの奇妙な冒険』の幽波紋(スタンド)に似ていますよね。
これにも惹かれました。
最初は黒騎士による剣の攻撃のみですが、魂を浄化した相手の攻撃を新たなスキルとして覚えることが出来ます。
スキルの習得は大ボスからはもちろん、中ボスからも取得でき、そのスキル数は相当多いです。

基本的に、
- 大ボスから取得したスキルの使用回数は無限
- 中ボスから取得したスキルの使用回数は有限
となっていて、[1セットにスキル3つ×2セット(計6スキル)]という形で装備できます。
”ジョジョ的”に言えば、「1人で6体のスタンドを操り、それぞれの特性に合わせて攻撃できる」という感じです。
音楽(BGM)がめちゃくちゃ良い!
これはゲームをインストールした時から感じていましたが
音楽がめちゃくちゃ良い
です。
エリアによって特徴は変わるものの、メインで流れるのはピアノによる美しい音色(旋律)。
「死の雨」によって滅びた王国をピアノで表現しているためか、儚(はかな)い音色が”刺さりまくり”ます。
そして、その音楽が主人公のリリィにピッタリなんですよね。
「儚さ」=「か弱さ」みたいに感じ取れてその音楽にグイグイ惹き込まれます。
『ブラッドステインド』や『ホロウナイト』もそうですけど、メトロイドヴァイニア系のゲーム音楽てめちゃくちゃ良いんですよ。
ゲームがシンプルだから余計に音楽も際立つのかもしれません。
程よい難易度が◎

この『エンダーリリィズ』ですが”高難易度アクションゲーム”とくくられることが多いです。
ですが、私がプレイした印象は
程よい難易度であり、かつ親切
という感じでした。
デスペナルティ無し
昨今のアクションゲームは徐々に高難易度しており、何かしらのデスペナルティが設けられていることが多いです。
しかし、『エンダーリリィズ』はデスペナルティがありません。
さらに言えば、途中でやられても、その間に入手したアイテムや経験値もちゃんと持ち越してくれます。
基本的に、こういうゲームは入手したアイテム類は次のレストポイントまでいかないとすべて持ち越せない仕様が多いので非常に助かります。
即死無し
また、高所からの落下死や針山等の即死が無いのも嬉しいところです。
2D探索アクションゲームは広大なエリアの中に多くのトラップ(罠)が仕掛けられていることが多く、その中には即死トラップがあるものも多いです。
おそらく『エンダーリリィズ』はこういった要素を意図的に排除しているようで、”探索のしやすさ”を体現しているように思います。
超親切なマップ機能

特に一番親切だと思ったのが「マップ機能」です。
探索エリア内で入手していないアイテムなどがあれば水色で「遺されたものがあるエリア」として表示されますし、まだ行っていないルートは赤丸で表示されます。
これが相当便利。
メトロイドヴァイニア系のゲームは未開のエリアを切り開く楽しさがありますが、さらに『エンダーリリィズ』は「そのエリアをくまなく回れたか?」までしっかり表示してくれます。
難しいところはちゃんと難しい
しかし、『エンダーリリィズ』は「難しいところはちゃんと難しい」という点もしっかり押さえています。
特に、中盤以降に出てくる一部の大ボスはかなり手ごわいですし、後半の探索は雑魚敵も大型のものが多くかなりてこずります。
また、探索についても「一体どういうアクションでこのアイテムを取ればいいか(先に進めばいいか)分からない!」という場面にも多く出くわします。
この親切さと難しさのバランスが絶妙。
親切ゆえに難しいポイントもある程度ストレスなくチャレンジできます。
気になった点
無いです。
ありません。
世界観もキャラもゲームバランスも音楽も「素晴らしい」の一言に尽きます。
ただ、しいて言うならば、「超高難易度エリアがあっても良かったかな」と思います。
『ホロウナイト』の神殿ボス42連戦までいかなくとも、ボスラッシュやレベルMAXで挑む超難関エリアがあれば嬉しかったです。
つまり、「もっと『エンダーリリィズ』の世界で遊びたかった」という事です。
【2021/8/17】なんと!アップデートで「ボス連戦」や「ボス再戦」「NewGame+」などの追加要素が実装されることが決まりました!近日リリース予定とのことです。
総評

個人的には「是非続編を出してほしい!」と思えるほど楽しんだゲームでした。
私の中では同じ2D探索アクションゲームの『ホロウナイト』『ブラッドステインド:リチュアルオブザナイト』に匹敵するほど素晴らしいと感じました。
また、その親切さから「メトロイドヴァニア入門ゲーム」としても自信を持ってオススメ出来る作品です。
是非、多くの人に遊んでほしいです。


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