今回は『ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ』のレビューになります。
自分の選択が物語に影響するアドベンチャーゲームで、相変わらず高い完成度を誇るゲームとなってました。
登場人物とストーリー
登場人物
今作『トゥルーカラーズ』で深い関りをもつ登場人物を紹介しましょう。
今作『トゥルーカラーズ』の主人公。
孤児として育ち、生き別れた兄の誘いを受け、兄の育つヘイブン・スプリングスに”居場所”を求めやって来るところから物語が始まる。他人の強い感情を”オーラ”として認識でき、その心を読み取る事が出来る。ただ、その感情に取り込まれてしまうこともあり、それによって人付き合いが上手くいかないことも…。
物に宿った感情を読み取る「サイコメトリー」の能力もある。
アレックスの兄。
ヘイブン・スプリングスでバーテンダーとして働いている。母を亡くした後、荒れに荒れて少年院へ行った過去がある。
お調子者ではあるが、その明るい性格から街の人気者でもある。同じ町でハーブ屋を営むシャーロットと付き合っており、その息子のイーサンとも仲が良い。
ヘイブン・スプリングスのレコード屋で店員兼ラジオDJとして働いている。元々はバンドでドラムとして活躍していたが、とある理由で今の街に移住することになった。気が強い一面もあるが、明るく社交的。音楽好きのアレックスと意気投合し、友人となる。
ヘイブン・スプリングスの英雄であるジェドの息子であり、アレックスの兄ゲイブの親友である。
事故と死別
主人公アレックスがヘイブン・スプリングスに来てからほどなくして、兄のゲイブが事故により亡くなってしまいます。
この現場に主人公アレックスとゲイブの親友ライアンも居合わせていました。
悲しみに暮れるアレックスでしたが、自身の特殊な能力により、どうやらこれはただの事故ではないことに気付きます。
この真相を追うべく、ステフとライアンと共に協力して行動を共にすることになります。
何気ない”選択”が大きな”決断”になる
『ライフイズストレンジシリーズ』は、選んだ選択肢によって物語が変わるアドベンチャーゲームです。
その選択肢は、何気ない日常に出てくるようなものが多いですが、その選択の積み重ねによって、何かを犠牲にするような非常に大きな決断を迫られます。
ゲームシステムだけ聞くと、どこにでもあるようなゲームだと思うでしょう。
しかし、『ライフイズストレンジ』は他のゲームに無い特徴があります。
『ライフイズストレンジ』のストーリーは5つのエピソードで進んでいきます。
1つの章(エピソード)が終わるとリザルト画面が表示され、その章でどの選択肢を選んだかを振り返ることが出来ます。
また、ネットに繋がっている場合は、すべてのプレイヤーがどの選択を選んだかがパーセンテージで表示されるんですよ。
なので「私はこの選択をしたけど、少数派だったんだ」とか「あれ?こんな選択肢無かったけど…」みたいな発見が出来るんですよね。
クリアした章はその章の初めからプレイすることも出来ますし、もちろん、最後までプレイした後に気になった章からやり直して違う展開の物語を歩むことも出来ます。
1つの章のボリュームは大体1時間半~2時間ほどで、クリアまでに10時間くらい。
長すぎると周回が面倒くさいですし、短すぎると物足りない。
その間をとった絶妙なストーリーボリュームです。
日常を切り取る描写と音楽が抜群に良い
そして、相変わらずストーリーの完成度がとにかく高いです。
それはシナリオだけでなく、声優さんによるセリフの感情表現や間のタイミングなど、ホントに絶妙なんですよね。
あと、デフォルメされた独特のグラフィック表現もたまらないです。
リアルに寄りすぎず、絵画的なタッチが残されてるので、時に絵画を見てるかのような感覚もあります。
特に、今回感心したのが「描写の切り取り」です。
何気ない日常を芸術的なセンスで切り取り、”魅せる”技術がこれまでのシリーズよりも格段に向上していると感じました。
まるで、プロのカメラマンが撮ったかのようなアングルや風景に見惚れるほどです。
もちろん、音楽も最高。
それを見越してか『トゥルーカラーズ』では物思いにふけるようなアクションが多いです。
例えば、「主人公が椅子に座って自然を眺める」みたいなアクションがあるんです。
もちろん、この間は何もすることは無いですよ。
けど、”何もせずにそのまま見ていられる、あるいは流れる音楽を聴いていられる”ほど癒されるんです。
上手く言えませんが「多幸感に包まれる感覚」がたしかにあるんですよ。
これまでの『ライフイズストレンジシリーズ』でも似たようなことはありましたが、特に今作『トゥルーカラーズ』ではそれが非常に素晴らしいと感じました。
気になったところ
ストーリーの完成度も高く、引き込まれる風景や音楽が最高な作品ではありますが、1つだけ気になった点があります。
字幕について
違和感を感じたのは字幕です。
『ライフイズストレンジ』はセリフの間や言い回しが非常に素晴らしいのですが、その為か字幕の表示をもっと工夫してほしかったと感じる事がありました。
最近よく見かけるのですが
(〇〇の笑い声)
みたいな環境音まで字幕にすることがあるじゃないですか。
これ、今作でもチョコチョコ出てくるんですよ。
正直、これいらないと思うんですよね。
なんか興ざめしてしまうんです。
あと、『ライフイズストレンジ』は言葉に力がある分、その力を活かすような字幕にしてほしいと感じました。
例えば
「犯人は・・・・〇〇だ。」
みたいなセリフがあるとしましょう。
この場合、
最初の字幕「犯人は・・・」
次の字幕「〇〇だ。」
みたいな感じで字幕を分けた方がセリフとシンクロすると思うんですが、これが1行で「犯人は・・・・〇〇だ。」と出てしまうんですよね。
声優さんもしっかりと間を取って喋っているので、字幕までしっかりと気を使って欲しかったと感じました。
総評
『ライフイズストレンジシリーズ』は、最後にどちらも選べないほど悩まされる選択肢が出るんですが、今回の『トゥルーカラーズ』に関してはこれまでほど悩む選択肢はありませんでした。
『1』も『2』もストーリーがかなり重かったですからね…。
そういう意味でいえば、「物足りない」と感じる人もいたかも知れません。
ただ、今作はこれまでのシリーズに比べ多幸感を味わうことが出来る作品だったと思います。
”癒し”の部分がかなり強くでた作品なので、ちょっと心がすさんでいるときなどに最適な作品かもです。
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