今回は『龍が如く7外伝〜名を消した男〜』のレビューになります。
『外伝』なのでボリュームは少ないですが、『龍が如く8』へ繋がる大切なストーリーなので絶対押さえておきたい作品です。
もちろん、重大なネタバレはありませんので安心してご覧ください。

はじめに

まずはじめにお伝えしたいのですが、今作『龍が如く7外伝〜名を消した男〜』は
『龍が如くシリーズ』未プレイの人には、あまりオススメしない
ということです。
これは、ネガティブな意味で伝えている訳ではありません。
というのも、私自身『龍が如くシリーズ』は全てのナンバリングをプレイしており、『龍が如くシリーズ』の大ファンでもあります。
本当に大好きで「多くの人にプレイして欲しい!」という想いもあります。
だからこそ、その想いとは裏腹に、この『龍が如く7外伝』は「初見の人はプレイしないほうが良い」と強く思いました。
この『龍が如く7外伝』は、これまでのナンバリングの橋渡しの位置づけのため、初見の人はまず内容が分からないと思います。
直近のナンバリングである『7』の話はもちろん、『6』に関わらず過去作のキャラクターの話もバンバン出てきますので、初見の方は話が分からないと思うんですよね。
そうなると、『龍が如く7外伝』、いや、桐生一馬の魅力が分からないままクリアしてしまうことになります。
これはちょっと勿体ないかなと思います。
なので、時間はかかるかもしれませんが、是非過去作をプレイすることを強くオススメします。
『6』と『7』を繋ぐ桐生一馬の物語

では、改めまして『龍が如く7外伝』の話にいきましょう。
今作は、長く続く『龍が如くシリーズ』の中で初めて『外伝』という位置づけになりました。
一見すると『7外伝』というタイトルから、繋がり的には『8』に続く『7.5』というイメージを持ちそうですよね。
しかし、実際は『6』の後の物語でありながら『7』の時系列と重なってくるので『6.5』という繋がりだと感じました。
ナンバリングが『7』から『8』へ進む中、時を戻して『6.5』となる物語を描くというのは、他のゲームでもなかなかありません。
主人公は『0』〜『6』まで物語を紡いできた桐生一馬(きりゅうかずま)。

「堂島の龍」や「伝説の極道」として知られるこの桐生一馬の物語を繋げるための『外伝』になっています。
逆に言えば、それほどまでに桐生一馬という漢(おとこ)の存在が大きいということです。
コンパクトにまとめた箱庭

『龍が如く』といえば、ナンバリングによって舞台は変わるものの「神室町」は外せませんよね。
主人公が桐生一馬であればなおさらです。
しかし、今回舞台となるのは大阪の「蒼天堀」。
大阪がメインとなります(序盤は異人町が少しだけプレイ可能)。
なぜ、神室町でないのかは『6』の内容が深く関わってくるのでここでは言わずにおきましょう。
蒼天堀は神室町に続いて多く舞台になった場所。
ただ、今作は『外伝』という位置づけでもあるため、そこまで街のボリュームはありません。
メインエリアは蒼天堀だけですしね。
他の異人町も少し遊べる程度なので、マップも広くありません。
ですが、グラフィック(作り込みかな)がハンパじゃありません!
めちゃめちゃキレイになってます。
PS5でプレイしているからだと思いますが、路面の反射する光、街のくすんだ明るさ、大阪らしいド派手な看板の艶(つや)など…。
これまでのシリーズをプレイしてきたから分かる「…めちゃめちゃ進化してる!」感が凄いです。
本当に見惚れちゃいますよ!

やっぱり最高!喧嘩アクション

『龍が如く』のバトルは、『7』からRPG型のターン制バトルへ大きく舵を切りました。
これはこれでアリですが、『外伝』ではこれまでと同様の「喧嘩アクション」を採用してます。
正直に言いますよ。
やっぱり喧嘩アクション面白い!
爽快感が違います。
個人的には、今後の『龍が如く』はコマンドバトルになり、これまで培ってきた喧嘩アクションは『ジャッジアイズシリーズ(通称キムタクが如く)』に引き継がれていくと思ってるんです。
なので、『外伝』で喧嘩アクションを満喫出来る=これが最後の喧嘩アクションバトルかも?とも思ってます。
今回の桐生一馬のバトルスタイルは2つ。
様々なガジェットで敵を翻弄する「エージェントスタイル」と、力でねじ伏せていく「応龍スタイル」。
私はほとんど『応龍スタイル』で攻略しましたが、エージェントスタイルも結構楽しいですよ。
あと、個人的には闘技場のバトルが楽しかったですね。

闘技場は基本的に今までの闘技場と似てはいますが、こちらも少しシンプルになった感じ。
ほとんど1戦で終わるので、かなりサクサク進みます。
その闘技場のバトルの中でも5対5や11対11という乱戦を行う「ZIGOKU TEAM RUMBLE」がかなり楽しいです。
共に戦う仲間は紹介屋から紹介してもらったり、サブクエストを進めると仲間になったりと様々。
バトルを繰り返すことで仲間のレベルも上がり、より頼もしい存在になってくれます。
最高ランクの「プラチナ」になるとかなり難しくなり、やりごたえが増すが良いです。
豊富なサブクエ、ミニゲーム、そしてキャバクラ攻略!

『龍が如くシリーズ』といえば、メインストーリー以外に散りばめられたサブクエストや様々なミニゲームが定番ですよね。
それは『外伝』である今作も変わりありません。
むしろ、これまでよりも力が入っていると思います。
遊べるスポットは、ダーツ、ビリヤード、ゴルフ、ゲーセン、将棋、博打、カラオケ、ポケサーなどなど…。
めちゃめちゃ遊べるスポットがあります。
サブクエストは、通称”赤目(ファーストサマーウイカ)’のクエスト「赤目ネットワーク」に集約され、そこで依頼を受けるスタイル。

これまでのように「街でバッタリ始まるサブクエ」ではないので、依頼をこなしやすくなってます。
そして、なによりキャバクラのクオリティが凄い!

今作では、キャバ嬢は遂に実写になってしまいましたw
キャバクラでやることは、これまでの『龍が如くシリーズ』のキャバクラとほぼ変わりませんが、実写になったことで”臨場感”が段違いです。
これは攻略せずにはいられませんよ!
あと、余談ではありますが、個人的にカラオケもオススメです。
特に、ファーストサマーウイカが演じる「赤目」と桐生一馬のコラボ曲「Like A Butterfly」は必聴。

ウイカさん、マジで歌がうまいから聞き惚れてしまいますよ(聞き惚れるのでカラオケの点数はあまり伸びないかも)!
あと何を失えば、大切な人を守れる?

『6』のあと、名を消し、存在を消し、大道寺一派のエージェントとしての生き方を選んだ桐生一馬。
自分の存在・人生を消してまで、桐生一馬が守りたいものがあります。
今作のキャッチコピーは
あと何を失えば、大切な人を守れるのか
正直、このキャッチコピーを見たときは泣きそうになりました。
伝説の極道と呼ばれながらも、数多くの悲しい結末を目にしてきた桐生一馬。
数えきれないほどの苦しみや悲しみを乗り越え、守るべきもののために命を賭して走り続けた漢の物語も『7外伝』『8』でいよいよ佳境を迎えようとしています。
その中でも『龍が如く7外伝』は”桐生一馬そのもの”にスポットを当てた物語。
見届けてほしい!桐生一馬の物語を!
という制作陣の意気込みを強く感じました(勝手にそう思っているだけですが…)。
総評

『龍が如く7外伝』
コンパクトなボリュームながらも、熱く濃い物語は変わりません。
それと同時に、実は寂しさもあります。
桐生一馬の物語はおそらく『龍が如く8』で完結するでしょう。
これまで『龍が如くシリーズ』を追ってきた人もそれは薄々気づいていると思います。
ゲーム内容は大満足。
けど、何処か寂しさを感じる。
だからこそ、見届けたい!
そう強く思わせる作品でした。

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