今回は『moonscars』のレビューとなります。
いわゆる「メトロイドヴァニア」と呼ばれるジャンルの作品で、難易度はかなり高い作品になります。
ダークな世界観をまとったドット絵の2D探索アクション
『moonscars』ですが、2Dの横スクロール型探索アクションゲームでいわゆる「メトロイドヴァニア」と呼ばれるゲームジャンルになります。
物語が結構難解で、簡単にまとめると以下のようなあらすじになります。
ある世界に”創造主”と呼ばれる男がいた。
創造主はいろんなもの(主に泥?)を使って人形を作っていたが、人間のような人形が出来る。
その中で”穢れなき戦士”と呼ばれる8人の泥人形が出来るが、ある戦いに敗れ8人とも行方不明になってしまう。
その8人の泥人形のうちの1人が主人公である「灰色のイルマ」。
敗れた戦場?で目覚めたイルマは満身創痍の状態で記憶もあやふやになっていた。
そこに創造主に可愛がられていた猫のエタラグと出会う。
イルマは猫に導かれるがまま泥人形工房へと向かい、自身の複製である泥人形を作り出せる技術で痛みから解放されたが、それはつまり自身が人間ではなく泥人形であるということを認識せざるを得ない事実でもあった。
なぜ、創造主は泥人形を作らなければいけなかったのか?
自分の存在は何なのか?
謎を解くべく創造主を探す旅に出る。
内容は結構ダークであり、ゲーム内で表現される世界観も暗めです。
さらに、すべてにわたり「ドット絵」で表現されるという時代と逆行するような異色の作品。
クセを感じさせる作りではありますが、動き自体はスムーズで思った以上に操作しやすいです。
基本的な戦い方
『moonscars』で操ることになる主人公の灰色のイルマの戦い方を簡単に説明しましょう。
基本的な攻撃方法は2つあり、剣による接近攻撃と、2つの魔法を装備することで遠距離攻撃にも対応します。
敵の攻撃はローリング回避で避けつつ、弾きによるパリィも可能です。
あと、非常に独特なのがHPの回復方法。
敵を攻撃すると「イコル」と呼ばれるMPのようなゲージが溜まっていきます。
このゲージを消費することで、自身のHPを回復に充てることが可能となります。
無論、イコルはMPと同様のゲージなので魔法攻撃でも減っていきます。
ただ、魔法を使った分は紫色で減少し(穢れたイコルと呼ぶらしい)、敵を倒さないと回復しません。
前半は考えなくガツガツの攻撃することで簡単に進めますが、徐々に戦略的な立ち回りを求められる難易度へと上がっていきます。
コスパ最強⁉非常に広大なエリアとボリューム
この『moonscars』というゲームですが、ダウンロード専売で値段も2,000円しないんですよ。
なので、最初は「5~6時間くらいで終わるゲームかな?」と思っていたんですが、驚くほどボリュームがあります。
まず、探索するエリアが非常に広大。
5~6エリアくらいあれば十分かなと思ってプレイしましたが、その3~4倍はあります。
感覚的には『ソルトアンドサンクチュアリ』くらいのエリアボリュームだと感じました。
敵の種類も豊富であり、ボス戦は少ないものの非常に歯ごたえのあるバトルで一筋縄ではいきません。
サッと終わらせるつもりで購入したはずなのに、気づいたらドップリと遊べるほどに楽しめる。
これはとてもうれしい誤算でした。
グイグイと引き上げられる難易度
では、全体的な難易度はどうかというところですが…、
相当難しい!
というのが私の感想です。
難易度を引き上げる要素が2つあります。
1つは「月蝕(げっき)」と呼ばれるもので”月”が大きな関わりを持ってます。
イルマは一度やられると、月が紅に変わり、ステージが「月蝕」という状態に変化します。
「月蝕」になると、敵の攻撃力と耐久度が格段に上がり、これまでスイスイ進めていたステージが進めなくなるほど高難易度化します。
この状態を終わらせるには”グランド”と呼ばれる貴重なアイテムを使い「月の儀式」を行うことで平常に戻すのですが、そもそもグランドがあまり手に入りません。
なので、序盤は「月蝕」の状態でも我慢して突き進める必要があります。
さらに、終盤になると「月蝕」の状態から戻らなくなるので鬼のような難しさに変化します。
難易度を引き上げるもう一つの要因は「ボス戦」です。
このゲーム、ボス戦の難易度が異常なほど高いです。
攻撃のバリエーションはそれほど多彩ではありませんが「1発が重い」んですよね。
しかも、1発食らうとリズムが狂って連続してダメージを食らうパターンもあるので即殺される場面も非常に多いです。
そして、ボス戦も例に漏れず「蝕月」の影響を受けます・・・。
重い攻撃がさらに重く、耐久度は1.5倍増し位になる。
月の儀式で「蝕月」状態を解除し、万全の状態で覚悟を決めて臨むもあえなく敗退しまた「蝕月」状態へ(泣)。
なんてことがザラに起きます。
とにかく歯応えがあります。
総評
思った以上にボリュームがあり、思った以上”死にゲー”である『moonscars』。
先にも述べましたが、2,000円しない値段でここまでボリュームがあることに驚きです。
メトロイドヴァニアゲーム入門としては全くオススメはできませんが、メトロイドヴァニア好きの熟練者は相当な歯ごたえを感じることが出来る作品だと思います。
終盤のボス戦はもはや勝てる気がしないほど難しいので、己の限界に挑むつもりでプレイするのもアリです。
間違いなくコスパは良いのでぜひ遊んでみてください。
コメント