今回は『Lies of P』のレビューになります。
噂には聞いていると思いますが、このゲーム相当難しいです。
ピノキオの世界をダークに彩る物語
『Lies of P』を直訳すると「Pの嘘」となりますが、このPとは主人公であるピノキオのことをさします。
そう、このゲームの主人公はピノキオであり、『ピノッキオの冒険』の話をモチーフとしたゲームなんです。
……が!
その世界観たるや、もはや『ブラッドボーン』のような不気味さに溢れた非常に暗い世界観になってます。
それもそのはず、『Lies of P』は『ソウルシリーズ』の影響をモロに受けた作品なんですよ。
特に『ブラッドボーン』の世界観は色濃く反映されたつくりになっています。
また、ピノキオの”嘘によって紡がれる物語”が『Lies of P』が醸し出すダークな世界観と非常にマッチしており、いい意味で”不気味”なんですよね。
ピノキオとソウルシリーズ。
一見混じりそうもない2つが、混ざる事で起きる化学反応が最高です。
ゲームシステム
それでは『Lies of P』のゲームシステムを簡単に説明しましょう。
基本はソウルシリーズ
基本的に『Lies of P』は『ソウルシリーズ』に似たゲームシステムとなってます。
敵を倒すと「エルゴ」を取得し、エルゴは経験値とお金の役目を果たします。
レベルは各ステータスごとにレベルを上げるシステムであり、装備重量による回避性能の違いや、ソウルロストの仕組みもあります。
そのため、『ソウルシリーズ』をプレイしている人(私も)からすると「『ソウルシリーズ』にかなり寄せた作品だ」ということは一目瞭然なので、『ソウルシリーズ』に慣れた人はかなり遊びやすいと思います。
緊張感溢れるガードリゲインシステム
また『Lies of P』には『ブラッドボーン』と似た「ガードリゲイン」というシステムがあります。
『Lies of P』では、防御(L1ボタン)する事は可能ですが、割合でダメージを喰らいます。
この防御中に喰らったダメージは、敵を攻撃することで回復することが出来るんです。
リゲインシステムは『ブラッドボーン』の特徴的なシステムでもありますが、これと似たことが『Lies of P』で出来る事になります。
また、敵の攻撃が当たる寸前でガードすると「ジャストガード」となり、ダメージゼロでガード成功となります。
後述しますが、これ、メチャクチャ大事です。
『SEKIRO』と似たスタッガー状態システム
更に『Lies of P』には『SEKIRO』の体幹ゲージと似た仕様のスタッガー状態があります。
※便宜上「体幹ゲージ」と呼ぶことにします。
これは『SEKIRO』と一緒で、攻撃を与えたり、ガード・ジャストガードを行うことで上昇します。
ただし、敵の体幹ゲージは見えません。
ある程度敵の体幹ゲージが溜まると敵のHPゲージが”白く”なります。
このときに溜め強攻撃を当てると、敵がダウンしスタッガー状態になり、この間は”致命の一撃”を敵に与えるチャンスとなります。
『SEKIRO』は忍殺でトドメとなるのですが、『LiesofP』はトドメは刺せませんが、大ダメージチャンスになるわけです。
ブレードと柄によって性能が変わる武器
このように『ソウルシリーズ』に似たシステムばかりと思われると思いますが、『Lies of P』独自のものもあります。
それが「武器」です。
『Lies of P』の武器は「ブレード」と「柄(つか)」の2種類で構成されています。
「ブレード」と「柄」は、基本セットで入手しますが、この2つは分解が出来、他の武器と付け替えが可能。
また、「ブレード」と「柄」には固有の技が存在するので、自分のスキルに合わせた組合せも作れます。
攻撃モーションは「柄」に依存するので、その点も頭に入れておくと尚良しです。
武器が増えれば組合せのバリエーションも増え、より自分好みのカスタムが可能なので、凝り始めるとあっという間に時間が過ぎてしまいますw
“ジャストガード”が非常に重要となる超高難易度
『Lies of P』は『ソウルシリーズ』と『ブラッドボーン』と『SEKIRO』を全て混ぜ込んだ”闇鍋”感溢れるゲームですが、肝心の難易度はどうでしょうか?
実際にクリアまでプレイした私の感想を申し上げるとすれば…
恐ろしく難しい!
というのが率直な感想です。
雑魚敵はそうでもないのですが、敵の配置が結構嫌らしく、物陰からの奇襲や数による暴力もあり一筋縄にはいきません。
更に、輪をかけて難しくなるのがボス戦です。
前述で「ジャストガードが大事」と話しましたが、これがボス戦でより際立って重要になるのです。
荒ぶる攻撃とダメージ量はボス戦ならではですが、なによりダメージ量がエグいので必然的にガードを多用する「待ちの攻撃姿勢」になるわけです。
ただ、ガードしたところでダメージは蓄積されるので結局やられるのを待つだけになるんですよ。
そうなると、ガードしてもダメージを受けないジャストガードが死ぬほど大事になるので、ボスの荒ぶる多彩な攻撃モーションを体で覚えなければいけません。
プレイヤー側が一方的な攻めに転じるスキがほとんどないため、我慢する(あるいは体に刻み込んで覚える)時間が長いんです。
更に、構えから攻撃の”間”を意図的に遅らせたり(極端に速くなる)する「ディレイ」もかなり多く、簡単にジャストガードさせてくれません。
とにかく一筋縄にはいかず、数え切れないほどのリトライを繰り返すので、それが苦痛になっていくと心が折れそうになるんですよ。
これが、このゲームが非常に難易度が高いと言われる理由なんだなと感じました。
ただし、救済措置もあります。
『Lies of P』では『ソウルシリーズ』と同様にボス戦手前でプレイヤーと共闘を行う「助霊」を召喚することが出来ます。
この助霊が結構タフ。
ボスの強力な攻撃をかなり長い時間持ちこたえてくれます。
そのためか、助霊を呼ぶとボス戦がかなりヌルい難易度になるので、どうしてもダメだと思ったら召喚しましょう。
気になった点
ここからは気になった点を2つだけ紹介します。
ボス戦のリトライがややダルい
『Lies of P』には『ソウルシリーズ』の篝火と同じ役割を果たす”スターゲイザー”というチェックポイントがあります。
攻略の要所要所でバランス良く配置されているのですが、ボス部屋前のスターゲイザーが少し遠く感じました。
また、『Lies of P』はPS5でも珍しくロードが少し長いです。
それもあって、ややダルさを感じることがあったので、もう少し短いリーチだったら良かったです。
武器調合
『LiesofP』の目玉とも言えるシステムの「武器調合」。
「ブレード」と「柄」の組合せで攻撃のバリエーションを変えるしですが、正直あまり必要性を感じませんでした。
毎回苦戦するボス戦で、私も様々な組合せを試しました。
火力はあるけどリーチが短いから、突進攻撃型の柄に組合せたりと…。
これはこれで良かったのですが。どうしても火力が落ちてしまうパターンが多かったように思います。
結果「この武器のこの火力が欲しかったのに!」と思うことが多く、最終的には組み換えはしなくなりました。
ただ、非常に面白いシステムなのは間違いなく、私の組合せ方法が悪かっただけかもしれないので。満足されている方のほうが多いかも知れません。
総評
正直なことろ、『Lies of P』はあまり期待していなかったんです。
いまや、『ソウルシリーズ』や『フロムゲー』に似た作品は数多く存在します。
『ソウルライク』と言えばそうかも知れませんが、ただ難しくしただけの作品や、バランスが悪い作品もありますよね。
『Lies of P』はその類かも知れないという不安があったんです。
もちろん、実際にプレイして荒削りに感じる部分はありますよ。
けど、想像以上に作り込まれており、のめり込めた作品でもありました。
特にボスを倒した時の達成感は脳汁ドバドバものです。
かなり難しいですが、オススメのアクションゲームなので、恐れる事なくプレイして欲しい作品です。
続編を期待せずにはいられないほとハマりました。
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