「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク(GOD OF WAR RAGNAROK)」レビュー(感想)|運命に抗うために戦いながら、親子共に成長を遂げていく完成された物語

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク

満足度9.0/10点満点

今回は『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』のレビューとなります。

神々の世界を描いた壮大な物語ですが、根底に描かれた”家族愛”をひしひしと感じることが出来る今作。

クリアするころには、まるで一冊の小説を夢中で読み終えたかのような満足感があります。

目次

「ゴッド・オブ・ウォー」とは

じつは『ゴッド・オブ・ウォー』はかなり古くからリリースされている作品であり、最初に発売されたのは、2005年のPS2『ゴッド・オブ・ウォー』が始まりとなります。

そこから外伝2作品とエピソード0~3を含む6作品が「ギリシャ神話編」として発売。

その後、2018年にリリースされた『ゴッド・オブ・ウォー』から「北欧神話編」として再出発を果たします。

前作のあらすじは以下の通りです。

前作のあらすじも本作で見れます。

ギリシャ神話編で神々との戦いを終えたクレイトスは北欧の地へ降り立つ。クレイトスはそこで新たな家庭を築き平穏な日々を送っていた。だが、妻であるフェイが亡くなってしまう。妻のフェイは無くなる前に「私の遺灰を九界で一番高い山の山頂から撒いてほしい」という遺言を残す。彼女の遺言を果たすため、息子のアトレウスとともに九界を旅し、様々な困難を乗り越え、無事に遺言を果たすこととなった。

世界の終焉をもたらす”ラグナロク”の阻止が目的

目的はラグナロクの阻止

前作でも軽く語られていましたが、今作『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』の目的は「世界の終焉をもたらす”ラグナロク”を阻止すること」です。

とはいえ、ラグナロク自体が近い将来やってくるというこは分かっていても、実際にいつ来るかまでは分かっていません。

アトレウスは、ラグナロクに備え、たとえ自分が死んだとしても息子のクレイトスにはたくましく生き残ってほしいと願い、親子ともども修練を重ねていました。

そんな中、「九界の主神であるオーディンがラグナロクを起こすことを画策しているようだ」という噂を耳にします。

ただ、このオーディン、一見するとただの優しいおじいちゃんのような格好と振る舞いで「本当に悪役?」と思うほどおおらか。

画面右の人物がオーディン。おじいちゃんです。

クレイトスの目に現れた時も、物腰柔らい口調で「私は別にラグナロクを起こす気はない」とサラリと言ってしまうほど。

「オーディンは本当にラグナロクを起こそうとしているのか?」と疑問を持ったクレイトスは、何とオーディンのそばに仕えることに。

この”ねじれ”を含め、最終的にラグナロクへ向かうこととなっていきます。

九界すべての探索が可能となったことでボリュームが増しに増した

九界すべてに行けるようになりボリュームが増した

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』ですが、前作からさらにボリュームが増しています。

ゴッド・オブ・ウォーの世界は九界(くかい)と呼ばれる九つの世界があるのですが、前作ではその全てに行くことは出来なかったんですよ。

ですが、今作では九界すべてのエリアが探索可能になりました

ただ、それだけではありません。

というのも、前作で探索出来た世界が様変わりしています。

面影はあれどアプローチ方法が全く違うため、逆に新鮮に感じるほどで、進めば進むほど「まだ広がるの?」と思えるほどに広いです。

圧巻なのがグラフィック。

本当にその世界が存在するのではないかと思うほど緻密で綺麗なんですよね。

最初は雪が降り積もった世界の探索が続くからこそ、日の当たる世界を目の当たりにしたときの感動が強いのもあるかもしれません。

超絶美麗のグラフィック!

さらに進化した重厚かつ爽快感あるバトル

重厚なバトルはそのままに、さらに爽快感が増した。

『ゴッド・オブ・ウォー』のバトルといえば、どっしりとした重厚感あるバトルが非常に特徴的ですよね。

今作『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』では、前作の重厚感はそのままに、さらに爽快感が増した様に感じました。

前作から新しい武器が増えた以外に動きが早くなったとかいうのはないのですが、攻撃のバリエーションは増えています。

特に、今作では物語の進行上、アトレウスを操作する場面が格段に増えました

今作ではアトレウスでプレイする機会が多くなった。

アトレウスは標準装備が”弓”のため、遠距離攻撃が主となり、クレイトスのずっしりとした戦闘とはまた違うバトルが楽しめるのが良いです。

あと、今作のバトルですが、個人的に「ボス戦がかなり遊びやすくなった」印象があります。

ボス戦が第1形態から第2形態へ移行し、第2形態でやられた場合、リスタートは第2形態からという感じなので結構楽です。

サブクエストの敵は違いますが(サブクエストのボスは前作より強くなった印象)、メインストーリーについては「そこそこの歯ごたえを感じながらもちゃんとクリアできる仕様」に仕上がっていると感じました。

CERO「Z」の理由

『ゴッド・オブ・ウォー』がCERO「Z」(18才以上対象)なのは、このバトル部分が強く関わっています。敵を仕留める際のフィニッシュエフェクトが結構エグイです。苦手な方はご注意ください。

恒例の謎解きも健在

引用:ファミ通.com

また、『ゴッド・オブ・ウォー』では、恒例の謎解き要素があるのが特徴的な作品でもあります。

それは今作も変わる事はありません。

宝箱を開けるために仕掛けられた3つのギミックを解くといったお馴染みのものも健在です。

さらに、今作で新たに加わった「斧を反射させるギミック」がかなり良いです。

謎解きの難易度自体は高くないですが、新たに追加された斧反射ギミックなどは新鮮で、より深く遊べる様になったと思いますよ。

運命に抗うクレイトスとアトレウスの家族愛

描かれるのは”家族愛”

前作では、母親を亡くし、それでも前を向いて人生を歩もうとするクレイトスとアトレウスの葛藤の様なものを感じました。

今作は「(クレイトスの)子離れ」と「(アトレウスの)親離れ」がテーマではありますが、真ん中にあるのは「家族愛」です。

事あるごとに衝突を繰り返すクレイトスとアトレウスの親子喧嘩は『ゴッド・オブ・ウォー』の代名詞ともいえます。

ただ、2人の考えは同じで「息子を(親を)死なせはしない!」という強い意志があります。

全く違うアプローチを選んでしまうがゆえにお互いが衝突を繰り返すのですが、遠回りはすれど、最終的にはお互いを補完しあう結果になることを無意識のうちに理解しているのかもしれません。

神でありながら、人間と変わらないその行動に深く感情移入してしまうのは、そういった”生々しさ”が如実に表れているからでしょう。

神々の世界が舞台ではありますが、これほどまでに家族の成長を見届けられる作品は他にないと思います。

総評

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク_11 (1)
新たな旅に期待が高まる

『ゴッド・オブ・ウォー』は、壮大な世界観と濃密な物語、そして重厚なバトルがしっかりと嚙み合わさった作品です。

正直なところ、前作からガラリと変わった要素はあまりないのですが、そもそもの完成度が非常に高い作品であるため、北欧神話編においては前作の延長というかたちで良かったと感じています。

それよりも、クレイトスとアトレウスの家族の物語がどうなっていくかのほうが見ごたえがある作品のため、それだけで満足度が高まるんですよね。

北欧神話編はこれで終了ですが、また新たな物語が始まるその日を心待ちにしたいと思います。

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