今回は『Elypse(エリプス)』のレビューになります。
このゲーム、かなり”クセが強い”ゲームです。
ダークファンタジー強めの2Dアクションゲーム
『Elypse(エリプス)』はオーイズミ・アミュージオによって作られたインディーゲームです。
ストーリーは以下の通り。
人々が恐れ崇める奈落の底”アビス”から民を救うためには、10年ごとに生贄を捧げなければならない。
ある日、生贄に選ばれたフェイは暗闇へと放り込まれてしまった。
アビスから生きて帰ったものは誰一人としていないというが、フェイはその運命から逃れることができるだろうか。深い深い闇の中、アビスの住人 ニクスに歓迎されたフェイは、
一人洞窟の中に身を潜め10年間生き延びた。“元の世界とアビスが繋がる時が必ずくる”
フェイはニクスの助けを頼りにアビスからの脱出を目指すのだった。
Elypse公式ホームページより
簡単に言えば、生贄となった主人公がアビスから脱出するのが目的となっているストーリー。
内容だけ聞けば少しホラーテイストに聞こえますが、操作するキャラクターは『ホロウナイト』に出てくる主人公のような可愛らしさがあり、良い意味で”ギャップ”があります。
では、『Elypse(エリプス)』というゲームについて、簡単に説明しましょう。
『Elypse(エリプス)』のゲームジャンルは2Dのアクションゲームでありますが、メトロイドヴァニアのような探索要素はほとんどありません。
いわゆる「一本道」のゲームであり、ステージ制でもありません。
とにかく目的に向かってひたすら進んでいくゲームですが、要所要所にチェックポイントが配置されており、リトライポイントが細かく設けられた作りになっています。
また、残機の概念がないので、やられてもゲームオーバーになることはありません。
では、この主人公にはどのようなアクションが可能なのでしょうか?
基本的な操作方法
『Elypse(エリプス)』の主人公には、2つの重要なアクションがあります。
一つは「(連続)ジャンプ」。
もう一つは「攻撃」。
この2つです。
「おいおい!何当たり前のこと言ってんだ?」
と、お思いでしょうがもう少しお付き合いいただけると幸いです。
じつは、この『Elypse(エリプス)』というゲームは、操作に結構”クセ“があります。
クセが強い連続ジャンプ
まずは「連続ジャンプ」についてです。
主人公をジャンプさせる時は「✕」ボタンを押してジャンプさせます。
ここで、普通のゲームであれば、さらに「✕」ボタンを押すことで2段、3段と連続でジャンプさせるのが普通ですよね?
『Elypse(エリプス)』は違うんです。
最初に「✕」ボタンでジャンプしたあとは、「R2」ボタンで2段目、3段目と繋げていくんですよ。
また、「R2」ボタンを押しっぱなしにすることで一定時間空中に留まることができ、その間に任意の方向を押すことで、軌道を変えることが出来ます。
これが地味に忙しい。
あとで説明しますが、焦っている場面だと操作を間違えやすいんです。
だって「✕」でジャンプ出来るんだったら、そのまま「✕」でさらにジャンプしたいですよね?
これが、頭の中で混乱を起こすんです…。
クセが強い攻撃方法
攻撃についても説明しておきましょう。
主人公が行える攻撃手段は…
任意の方向に直線的な弾を飛ばす
これだけです。
タメ攻撃や素手攻撃もありません。
そしてさらに『Elypse(エリプス)』特有の”クセ”が加わります。
実は攻撃できる弾は「連射できる数に制限」があります。
下図をご覧下さい。
この右側のバーの塗りつぶされたマークの数が連続で攻撃出来る弾の数になります。
ちなみに、現在4発の弾を連続で撃てるとしましょう。
この4発を撃ち終わったら、もちろん弾は撃てません。
この弾を補充するは
- 地上で回避行動(R2)を行う
- 空中で多段ジャンプ(R2)を行う
この2つで、両者ともに行動を行った分、弾がリロードされます。
これ、何を意味するのかというと、「むやみやたらに攻撃は出来ない」ということなんですよね。
『Elypse(エリプス)』には、雑魚敵以外にボスも存在します。
もちろん、一発で倒せるはずはありません。
なので、戦況を見極めて的確なアクションを行うことが常に要求されるゲームなのです。
そして、極めつけは次に述べる「一撃即◯」です。
一撃(一触)即◯のエグい難易度
この『Elypse(エリプス)』というゲームですが、主人公にHPの概念はありません。
また、「何回攻撃を食らったらやられる」という回数ダメージの概念もありません。
「一撃でやられる」という尖った仕様なんですよ。
雑魚敵やボスの攻撃はもちろん、接触もNG。
落下もNG。
挟まれもNG。
燃える床もNGです。
普通、これほどの仕様であれば、攻略ステージが比較的簡単であったりするのですが『Elypse(エリプス)』は甘くありませんでした。
ステージの踏破がとにかく難しい!
ホントに難しいです。
序盤はともかく、序盤を過ぎたら容赦ないんですよね。
繊細な連続ジャンプを要求される狭いエリアや、着地地点に配置されたいやらしい敵、更には強制スクロールじみたエリアも存在し、幾度となくリトライを繰り返すことになります。
その分チェックポイントは多めに配置されていますが、それでも「もう少しチェックポイントが欲しい!」と思えるほどに厳しい場面が多いのは確かです。
好みが分かれると感じた理由
『Elypse(エリプス)』をプレイしてすぐに感じたことは、
明らかに好き嫌いが分かれそうだ
ということでした。
「一撃即◯」というゲームシステムは、非常に強い緊張感を生むと同時に高いストレスを与えてきます。
雑魚敵もボスも関係ありませんからね。
どれも等しく「ノーミスでクリアを求められる」ことと変わりありません。
私自身、難しいゲームは好きではあるのですが、そんな私でも「ちょっとムリかも…」と思うことが結構多かった作品です。
総評
とにかく非常に難しいゲームではありますが、これほど尖った仕様で遊べるのはインディーゲームならではでもあります。
ゲームボリュームは、かなり苦戦して8時間くらい。
なので、「お目当てのゲームがリリースされるまでに、少しだけ時間がある時」にプレイするには持って来いです。
コンパクトながらも歯ごたえはバツグンなので、お時間がある際にはちょっとチャレンジしてみても良いと思いますよ!
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