今回は『ブラスフェマス2』のレビューになります。
“クセが強いグラフィック”はそのままに、さらにパワーアップを遂げてます。
『ブラスフェマス』とは
『ブラスフェマス』のゲームジャンルは「メトロイドヴァニア」と呼ばれるゲームジャンルで、2Dの探索型アクションRPGの作品になります。
「メトロイドヴァニア系の作品にはハズレがない」というのが私の認識ですが、『ブラスフェマス』もその一つ。
探索自体にそこまで困難さはなく、アクションも意外としっかりしています。
ただ、『ブラスフェマス』は他にはない独特の特徴があります。
それが、”グラフィック”です。
神話(宗教的?)の様な世界観でありながら、描かれる人物が非常におどろおどろしいんですよね。
グロテスクな描写が多いので、苦手な人は苦手だと思いますが、メトロイドヴァニアとしては完成度が高い作品。
つまり『ブラスフェマス』は、とにかく”クセが強い”ゲームになります。
今作のストーリー
では、今作のストーリーを簡単に紹介しましょう。
前作のエンディングで長い眠りについた主人公。
その長き眠りを経て、主人公は別世界で目覚めることとなる。
主人公の目覚めから、新たな武器を選択した主人公の眼の前にアヌンシアダという女性が出現。
彼女曰く「この世界の上空に現れた”大いなる力(心臓)”から、奇蹟の子が生まれようとしている。この誕生を阻止してほしい」と。
更に彼女は言う。
「悔悟者(主人公)の目覚めはすでに予言されており、奇蹟の子の誕生の阻止も予言されたものである」と。
この予言に従うかのように、再び冒険の旅路へ赴くこととなる。
というのがストーリーです。
「別世界で目覚めた」という異世界転生なので前作との繋がりがなく、この作品から始めても全く問題ありません。
また、物語は『ソウルシリーズ』のように入手したアイテムのフレーバーテキストで補完するしくみなので、探索やアクションを中心に楽しみたい人にも優しい作りとなっています。
よりパワーアップしたアクションとレベルデザイン
『ブラスフェマス2』のアクションについてですが、じつは行動アクションについてはさほど変わりありません。
壁に掴まるアクションや二段ジャンプなど、前作のスキルも徐々に習得していきます。
ただ、バトルアクションはかなり大きく変わりました。
というのも、武器による攻撃のバリエーションがしっかり差別化されたからです。
リーチ、火力、モーションの速さ等、ある意味武器が少ないからこそその能力の個性がしっかり反映されるようになりました。
さらに、武器による探索の攻略法が全く違うのですが、それは後述します。
そして、最も大きく変わったのはレベルデザインです。
『ブラスフェマス2』では経験値によるレベルアップは無く、アイテム獲得によるパラメーターアップが基本となります。
つまり、隅々まで探索することが重要となるレベルデザインになってます。
装備については、武器以外には「ロザリオ」と呼ばれるアクセサリ装備によって、属性防御アップなどの恩恵をもたらすシステムを採用。
ロザリオを連結させることで、追加でステータスをアップ出来ます。
棒具は、鎧や盾といった防具はないのであまり複雑ではありません。
ただ、「寵愛の背障」という新たなシステムが搭載されました。
「寵愛の背障」は、対となる棺?に特殊な彫像をはめ込むことで攻撃力アップといったオフェンシブな効果を付与します。
また、グループが同じ彫像を対となる棺にセットすると、ボーナス効果が生まれるという恩恵もあります。
武器が攻略の足がかりに!
『ブラスフェマス2』では、2段ジャンプや壁つかみといった主人公自体のアクションがありますが、これ以外に探索する術(すべ)があります。
それが、”武器”です。
じつは、プレイヤーが装備する武器には固有のオブジェクトに反応する性質があります。
フェンシングのような武器の「サルミエント&サンテラ」は、鏡を持つ像を攻撃すると、光が差す方向へ瞬間移動が出来ます。
また、鉄球のような武器の「ヴェレディクト」は、鐘のオブジェクトに干渉し、鐘を叩くことができます。
この鐘を叩くと、液体上のオブジェクトが足場へ変わり、新たな道を開拓することが出来ます。
この様に、武器は敵への攻撃以外に、新たな道を切り開く道具にもなるんですよね。
これによって、謎解きの楽しさがかなり増しました。
難易度はどうか?
では、『ブラスフェマス2』の難易度について簡単に説明します。
正直言って、難易度は前作よりも結構上がったと感じました。
探索自体はそんなに難しくは無いんですよ。
即死するようなエリアトラップも無いですし、トラップにかかっても大ダメージを食らう訳でもありませんので、探索難易度は低い方です。
ただ、”厄介な敵が多い“印象です。
要所要所に「火力が高く、硬い敵が配置されている」感じです。
とはいえ、終盤までは多少苦戦するくらいなので、いい意味で歯ごたえを感じることが出来て楽しいです。
問題は後半のボス戦です。
後半に出てくるボスはメチャクチャ苦戦します。
ここで敢えて「強い」と言わなかったんですが、それには訳があります。
というのも、後半のボス戦はいわゆる”覚えゲー”的な要素がかなり強いからです。
最初は何が起きてるか分からないままやられる「分からん殺し」になることがありますが、徐々に「パターン」が分かってきます。
このパターンを覚えてしまえば案外アッサリと勝ててしまうんですよね。
なので、「ボス自体の対応力からくる強さではなく、攻撃パターンの豊富さからくる強さなので苦戦する」がピッタリくると感じました。
総評
前作から変わらずクセの強い描写がある『ブラスフェマス2』ですが、メトロイドヴァニアとして更にワンランク上がったのは実感してます。
ゲームボリュームも20時間くらいなので、平均的といえば平均的です。
しかも、エンディングが3パターンくらいあるマルチエンディングを採用しているので、やり込みも出来るのが良いです。
グロテスクな表現が苦手な方にはオススメしませんが、そうでない方は一度プレイするのもアリだと思います。
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