今回は『アフターイメージ』のレビューになります。
最初に結論を言いますが、このゲーム、マジでオススメです。
ストーリー
まずは『アフターイメージ』のストーリーについてですが、やや難解のため公式サイトから引用します。
神により創られし庭園。
そこは活気に満ち繁栄していたが、秩序の守り人である巨人に人間が戦争を仕掛けその争いは全土を覆い尽くした。人間は巨人が神から授かったものをすべて奪い取り、禁断の儀式により「魂の海への門」を開いた。
しかし、その時突然の爆発によりゲートから大洪水が流れ込み都市は冠水。完全に廃墟と化した。この大災害で戦争は終結した。傲慢な人間たちは多くの犠牲者を出し、残された者は廃墟を彷徨うしかなかった。
それから数年後、この厄災により記憶を失った「ライネ」は失われた記憶を取り戻す旅へ出る。
『アフターイメージ』公式サイトより
神から授かりし唯一無二の“贈り物”を持つ少女が、記憶を辿り崩壊した世界の真実を解き明かしていく。
要は、記憶をなくした主人公「ライネ」が自身の記憶を取り戻しながらこの世界の真相を解き明かしていく物語。
物語の理解については、実際にプレイしていくと分かるのですが、結構難解です。
この世界独特の専門用語的なものもありますし、語られる言葉(テキスト)が長いのでちょっと頭に入ってきづらい感じもあります。
ただ、『アフターイメージ』は登場人物がすべてフルボイスという豪華仕様なので、文字だけでなく言葉としても理解を深めることが出来るという嬉しい仕様になっています。
ゲームシステム
この『アフターイメージ』というゲームは、いわゆる”メトロイドヴァニア“と呼ばれるゲームジャンルになります。
メトロイドヴァニアは”探索型2Dアクション”というゲームシステムで、広大な2Dのマップを探索しながら進めるゲームであり、『メトロイド』と『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)』のゲーム性を掛け合わせたゲームのことを指します。
後述しますが、『アフターイメージ』のマップの広さは、私が知る限り『ホロウナイト』に次ぐ広さだと思えるほど広いです!
攻撃アクションは3種類。
メイン武器、サブ武器、魔法攻撃の3種類で攻撃アクションを行います。
武器は、太刀(剣)、二刀、大剣、ムチ、鎌などがあり、魔法は火、水、土、風の4属性+杖など、かなり多彩な装備が可能です。
もちろん、アクセサリ装備も準備されており、主人公のステータスのさらなる底上げも可能ときています。
それぞれによって全く違う攻撃アクションがあり、さらにスキル解放によって技の種類も増えていくので、要所要所で武器を切り替えながら攻略する楽しさもありますよ。
スキル解放もかなり自由に出来、自分の好みに合わせた強さを極めていくことも出来ます。
遊びの幅はかなり広いゲームシステムだと思います。
本当に終わりがみえないほど広いマップ
この『アフターイメージ』というゲームですが、3850円(ダウンロード版)という価格からは想像も出来ないほどボリュームがあります。
私がクリアまでに要した時間は40時間以上。
本当にこの価格でここまで遊べるの?
と、驚くほどに充実してるんですよ。
その中でも特に驚いたのが、エリアの広さです。
メトロイドヴァニア系のゲームは、”探索を楽しむ”というメイン要素もあって、エリアがある程度広いのは折り込み済みなんですが…。
…にしても、広すぎる(嬉)!
エリアの広さを具体的には言い表せないのですが、表現するとすれば「これが最後のエリアかな?」と感じることが5回は続きます。
エリアの作り込みがハンパじゃないんですよね。
とにかく、行けども行けども新しいエリアが出てくるんです。
もう一度言いますが、このゲームの価格は3850円(ダウンロード版)です。
もはや私は「もう少し高くても良いよ」と言いたいくらい満足しています。
難易度は相当高い!
では、このゲームの難易度はどのくらいなのでしょうか?
数々のメトロイドヴァニア系作品をプレイしてきた私の感想は…
メチャクチャ難しい!
です。
どういった点が難しいかを説明していきましょう。
正直、序盤はチュートリアル要素もあって簡単ではあります。
ただ、序盤から明らかにレベルが違う敵が出現したりと、「このゲーム、一筋縄ではいかないよ」という警告を暗に出してきます。
そして、その難しさは序盤を抜けると一気に広がっいきます。
嫌らしい敵の攻撃、ミリ単位の操作を要求されるトラップの数々、歯応えのあるボスたち…。
これらに加え、終わりが見えないほど広がるエリアが『アフターイメージ』の困難さをより強くしていきます。
ただ、『アフターイメージ』はレベルやスキルによるステ強化の影響が強いため、慣れは出てきます。
それでも難しいと思えるのが、「ヒントの少なさ」です。
『アフターイメージ』は、サブクエストもメインクエストも「次にどこに進めば良いのか?」というのがあまり明確に提示されません。
そのため、「次どこに行けばいいの?」と迷子になる事が多いです。
ある意味、能動的に情報を整理し、自分で予測を立てながらプレイを進める必要があることに気づかないと、クリアまでたどり着くのが難しいと思います。
また、詳しい攻略サイトもほとんどないのでマジで自分でクリアまでの道筋を考えなければいけません。
これが『アフターイメージ』が高い難易度を誇る理由になります。
オススメ攻略法(進め方)
前述したように『アフターイメージ』をプレイしていく中で、難易度以外に壁にぶち当たる要素として「この後どこに行けばいいかわからない」というのがあります。
ヒントが少ないからです。
「このボスはこう倒せ!」や「ここに新しいスキルがある!」といった明確な攻略法ではありませんが、確実に役に立つ進め方が存在します。
実は、『アフターイメージ』にはマップ上に任意でマーカーを設置できる機能があります。
これをフル活用します。
今のスキルではいけない場所、鍵がかかっている扉、どうして倒せないボス、取れない宝箱、非常に難しいトラップ、今進むにはレベルが高すぎて危険な場所など片っ端からマーカーを設置していきます。
マーカーの種類は20種類弱あり、総合計で200個設置が可能なのでそれぞれの状況に合わせて自分の分かりやすいマーカーを設置します。
鍵がかかっている扉は鍵のマーカーなどが良いでしょう。
いちいちマーカーを設置していく手間はありますが、迷う確率は格段に減ります。
それでも迷う場合は、あえてレベル違いのエリアに挑んでいくのも良いです。
リスクが非常に高いですが、その分新たなスキル(アフターイメージ)を獲得する確率が高く、さらに行けるエリアが広がるはず。
もし、ゲーム中盤からマーカーをつけ始める場合は、一番最初のエリアに戻ってこれまでの道をたどりながらマーカーを設置していくのが良いでしょう。
遠回りに思えますが、結果それが一番の近道になります。
気になった点
個人的に満足度の高い『アフターイメージ』ですが、ほんの少しだけ気になった点があります。
自発的な攻略が求めらる
基本、アクションゲームは道なりに進んでもクリアできるように作られていますが、『アフターイメージ』はちょっと違います。
前述した「マーカーを設置していく攻略法」のように、『アフターイメージ』は自発的な攻略が求められるからです。
『ホロウナイト』のような進め方に近いですね。
ストーリーも独自の専門用語が多いので、理解するのも大変かもしれません(私も良くわかりませんでした)。
今のところ(2023年5月時点)、これといった攻略サイトも出ていないので、ネットで確認しながら進めるという方法も出来ません。
おそらくですが、途中で断念してしまう人も多いゲームなのではと思います。
防御がない
多種多様な武器や魔法を駆使することで出来る攻撃アクションが豊富な『アフターイメージ』。
しかし、このゲームは防御という機能はありません。
そのため、敵の攻撃は”よける”というアクションしか取れないので、これが難易度を押し上げる原因にもなっています。
一応、「ステップ」をすると一瞬だけ無敵時間があるのですが、本当に”一瞬だけ”なので熟練したアクションゲーマーでないとなかなか使いこなすのは難しいです。
特に、終盤のボス戦などは「これ、どうやって倒せばいいの?!」というボスも多いので、地道に攻略していくのが嫌という人には合わない作品かもしれません。
総評
メトロイドヴァニア系の作品の中でもかなり難しいと思う『アフターイメージ』ですが、正直言って満足度は非常に高いです。
難易度が高いのも相まってか「広大なエリアを探索し、新たな発見をする喜び」はひとしおで、そのボリュームにも圧倒されます。
骨のあるメトロイドヴァニア系の作品をお探しの方に強くオススメしたい作品です。
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