今回は『龍が如く維新!』のレビューを紹介していきます。
『龍が如く』シリーズのスピンオフ作品でありながら、スピンオフとは思えないほど濃厚なストーリーが展開されます。
かなり魅力的な作品であることは間違いありません。
テーマ曲は、ONE OK ROCKの「Clock Strikes」
『龍が如く維新!』の世界観に驚くほどマッチしています!
濃厚で骨太なストーリーを味わいたい人には持って来いの作品です。
史実を交えた濃厚な”ストーリー”
『龍が如く維新!』のストーリーですが、「維新」という名が物語るように”明治維新”が主軸となったストーリーです。
主人公は、『龍が如く』シリーズの主人公”桐生一馬”をモデルとした坂本龍馬。
以下、『龍が如く維新!』の序章の大まかな流れです。
坂本龍馬は、四国土佐藩の下級武士だった。
当時の土佐藩は階級社会が確立しており「身分は命より重い」ものとされていた。
ある日、坂本龍馬は上級武士にたてついたことにより投獄されてしまう。
獄中で育ての親である吉田東洋と再会したことをきっかけに脱獄を果たし、武市半平太とともに階級社会の撤廃のためクーデターを企てる。
しかし、クーデターの前日に吉田東洋が謎の覆面の人物によって殺害。
その場にいた坂本龍馬は濡れ衣を着せられることとなり、土佐を脱藩する羽目になる。
時は流れ1年後。
坂本龍馬は、京にいた。
「斎藤一」と名前を変え、覆面の人物を追っていたのだ……。
明治維新という史実を扱いながら、「坂本龍馬=斎藤一」という大胆な仮説のもとに繰り広げられるストーリーが驚くほど新鮮で面白いです。
史実的に言えば坂本龍馬が斎藤一ということはあり得ないらしいのですが、斎藤一自体が謎の部分が多いのでこういった”If Story“は非常に面白い組み合わせです。
また、『龍が如く』シリーズ同様「”人”に軸を置いたストーリー」なので、登場人物がしっかりと深堀されており濃厚なストーリーが展開されます。
魅力的な”キャラクター”
『龍が如く維新!』に出てくるキャラクターは、これまでの『龍が如く』シリーズ(1~5)のキャラクターがたくさん出てきます。
その中で、登場人物をある程度絞って簡単に紹介していきます。
【坂本龍馬/斎藤一】
桐生一馬:『龍が如く0~6』主人公
『龍が如く維新!』の主人公。
「坂本龍馬でありながら、斎藤一でもある」という非常に斬新な設定。
日本の夜明けは、彼に託される……。
【吉田東洋】
風間新太郎:『龍が如く0・2』
坂本龍馬の育ての親。
投獄された坂本龍馬を救い、クーデターを企てた張本人でもある。
風間新太郎は、『龍が如く』シリーズでも桐生一馬の”育ての親”のような存在であるため、役柄もピッタリ!
【武市半平太】モデル・声:高橋克典
土佐藩の下級武士によって結成された「土佐勤王党」の党首。
脱獄した坂本龍馬とともに、階級社会撤廃に向けてともに動くこととなる。
武市半平太は、この身分制度によって親兄弟を無くしているという過去を持つ。
【岡田以蔵】
「土佐勤王党」の”筆頭”。
別名「人斬り以蔵」の通り名を持つほどの剣豪でもある。
【近藤勇】モデル・声:船越英一郎
言わずと知れた「新選組」の局長。
局長とはいうものの、顔を見た人はほとんどいない。
そのため、存在自体に疑問を持つ者も多く”死亡説”まで流れるほどである。
【土方歳三】声:中村獅童
峯義孝(みね よしたか):『龍が如く3』
「新選組」の副長。
局長が不在の為、実質的な指揮を執っているのが土方になる。
「鬼の副長」と呼ばれるほど冷徹な側面を持つ。
【沖田総司】
真島吾朗(まじま ごろう):『龍が如く0~7』
「新選組」一番隊隊長。
沖田総司と言えば「美青年」という印象があるが、『龍が如く維新!』では全く違う。
実際のところ、「沖田総司が美青年」といった言い伝えや写真は残っていないらしい。
『龍が如く維新!』では、とにかく血を好む”人斬り”として描かれている。
ゆえに、羽織は常に”血”で汚れている。
【西郷吉之助】
郷田龍司(ごうだ りゅうじ):『龍が如く2』
名前からなんとなく推測できると思いますが、「西郷隆盛」です。
薩摩藩出身だが、身を偽る為にあえて関西弁を話している。
これは、郷田龍司が『龍が如く2』での設定(関西のヤクザ「近江連合」の”近江四天王”の1人)を受け継いだものと思われます。
【新堀松輔】
秋山駿(あきやま しゅん):『龍が如く4~6』
謎の情報屋。
坂本龍馬が、吉田東洋を殺害した謎の覆面の情報で出会うこととなるが……。
ちなみに、新堀は斎藤一が偽名であることを知っている。
ゲームシステム
『龍が如く維新!』の基本的なゲームシステムは、『龍が如く』シリーズを踏襲しています。
今作の舞台は2つ。
坂本龍馬として育った”土佐”。
脱藩して、身を隠しながら覆面の人物の行方を追っている”京”。
特に、”京”の街が物語の中心となります。
『龍が如く』シリーズで言う「神室町」に当たる場所になりますね。
もちろん、おなじみのタイアップもアリ!
なんと、あの「ドン・キホーテ」が幕末にやってきました!
店名も「どん、きほーて」と平仮名表記なのが”粋”ですよねw
こういった、現代のリアル店舗が幕末バージョンになっている様を巡るのも楽しいですよ。
他にも様々なプレイスポットが存在します。
- 歌声酒場(カラオケ)
- 日本舞踊(ダンス)
- 競鶏(賭博レース)
など、従来の『龍が如く』シリーズ同様に、やれることがたくさんあります。
バトルシステム
『龍が如く維新!』のバトルシステムも、基本的にこれまでの『龍が如く』シリーズを踏襲しています。
”シンボルエンカウント”でバトルがはじまるのは変わりありません。
また、バトルスタイルは4つ存在し、状況によってそれぞれ切替が出来ます。
【一刀の型】
斬撃中心のバトルスタイル。
攻撃力が高く、バランスもいいので使いやすい。
レベルを上げていくと”ゴリ押し”が出来るのも◎。
『龍が如く維新!』で、最も使用するバトルスタイルになると思います。
【短銃の型】
遠距離攻撃中心のバトルスタイル。
特殊弾との組み合わせで、デバフ(状態異常)をかけたりすることができる。
動きが素早くなるので、相手を翻弄するのも◎。
ただ、銃なのに攻撃力がいまいち。
【格闘の型】
従来の『龍が如く』シリーズと同様の喧嘩スタイル。
相手の攻撃の受け流しや、投げ技に特化している。
如何せん、素手なので、相手を捌くことを求められるこの型で戦うのは、なかなか勇気がいる。
【乱舞の型】
刀と銃の両方を使用することで、まさに”舞う”様に戦う「超攻撃型」のスタイル。
大勢の敵を相手する場合にかなり有効。
手数は多いが、攻撃力が弱め。
しかも、両手に武器を持っているため、防御が出来ない。
使いどころを見極めないと大怪我をすることになる。
このように、状況によって使い分けができる戦略性もありながら、『龍が如く』特有の爽快感もしっかりと体感できます。
バトルダンジョンがかなりツボ
『龍が如く維新!』では、『龍が如く』シリーズ同様に様々なサブクエストやミニゲームが用意されていますが、特に「バトルダンジョン」というミニゲームがかなり面白いです。
街中で声をかけたり、サブクエストをクリアしたり、バトルで敵を倒したりすると、”隊士”として仲間になりたいという要望を受けることがあります。
このようにして、自分の仲間を集め「バトルダンジョン」に挑んでいきます。
仲間になった隊士は、バトルダンジョンでは”カード”として引き連れることができ、ダンジョン内で坂本龍馬/斎藤一をサポートしてくれます。
このバトルダンジョン。
かなりボリュームがあるんですよ!
全部で40近くのダンジョンがあり、やりごたえもバツグンです。
1つのダンジョンにしても結構入り組んでますし、ちゃんとボス戦も用意されています。
集中してレベルを上げたい時にも重宝するので、結構お世話になるミニゲームになると思います。
ただ、”ダンジョン”というだけあって、マップの形は違えど風景が変わり映えしないので「飽きる人はすぐ飽きる」かもしれません。
難易度は”ちょっとだけ高い”
『龍が如く維新!』の難易度ですが「ちょっとだけ高い」という印象です。
ストーリー終盤になっても、やられることはあまりありません。
バトルスタイルが4つありますが、近距離攻撃の「一刀の型」と遠距離攻撃の「短銃の型」でほぼすべて乗り切れるからです。
特に、「一刀の型」は攻撃力が高いのでレベルさえ上げてしまえばある程度”ゴリ押し”が効きます。
逆に、喧嘩スタイルの「格闘の型」や、防御が出来ない「乱舞の型」は、”クセ”があるので使いどころがあまりありません。
そのため、型の縛りを求められる一部のサブクエスト系はかなりの難易度になります。
やっぱりストーリーが秀逸
『龍が如く維新!』のストーリーは
”明治維新”という大枠の流れはあるものの、その中心にあるのは”人”
であることには変わりありません。
人の生い立ちや過去の苦悩、それに抗い必死に生きる姿に重きを置く「”生きざま”を描いたストーリー」は、これまでの『龍が如く』シリーズと何ら変わりはありません。
さらに言うと、『龍が如く維新!』というスピンオフ作品となり、1つのゲーム内でストーリー完結させる性質上、より濃く描かれているという印象を受けました。
だからこそ、骨太のストーリーを存分に味わいたい人にうってつけなんです。
総評
『龍が如く』については、『龍が如く7 光と闇の行方』からプレイした人が結構多いと思います。
『龍が如く』は、何といっても濃厚で骨太なストーリーが魅力的。
ここにハマった人は多いはず。
ただ、過去作をやったことない人からすると、ナンバリングの『龍が如く0~6』まで遡ってプレイするのは相当キツイと思います。
『龍が如く維新!』は、スピンオフ作品ではありますが、歴代の『龍が如く』シリーズのキャラクターが多数出演するため、「キャラクター入門編」としても最適かもしれません。
そして何より、スピンオフ作品とは思えないほどのボリュームがあるので、絶対楽しめると思いますよ!
軸は、”人の生きざまを描いたストーリー”であり、それは他の作品(『ジャッジアイズ』)でも変わらないので、遠慮なく遊んでほしい作品です。
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