今回は『ロストジャッジメント~裁かれざる記憶~』のレビューになります。
リーガルサスペンスアクションRPGという『(龍が)如くシリーズ』の新基軸作品で、前作『ジャッジアイズ』も大好評だった作品の続編になります。
「いじめ」に切り込んだ非常にシリアスなストーリー
今回『ロストジャッジメント』で扱われるのは、”いじめ“という非常にセンシティブなテーマです。
個人的には相当切り込んだ物語だと思います。
始まりは、東京で行われたとある裁判にて。
痴漢の罪で裁判を受け、懲役6か月の実刑が確定した現役警察官の江原。
判決後に江原は言う。
「3日前に横浜の廃ビルから死体が出てきたはずです。その死体の主は御子柴弘(みこしばひろ)といいます。彼は4年前、私の息子を自殺に追いやった。万死に値する人間です。」
と。
なんの繋がりもない2つの事件は、”いじめ”という糸をきっかけに、複雑にもつれ合い、絡み始めます。
いじめる者。
いじめられる者。
見て見ぬふりをする者。
復讐する者。
真実を追究する者。
『龍が如くシリーズ』特有の「人に焦点を当てた濃いストーリー」が、プレイする人の心を強く揺さぶり、ナイフのように心に突き刺さります。
最高の出演陣による最高の演技に惹かれる
豪華な出演陣が魅力である『ジャッジアイズ』。
それは今作『ロストジャッジメント』でも変わりません。
ここでは、メインとなるキャラクター(出演陣)を簡単に紹介します。
出演:木村拓哉
神室町で探偵業を生業としている元弁護士。
横浜でいじめ調査の依頼を受けていたところ、くしくも同じ横浜で起きた殺人事件の調査の依頼を請け負うことに。
やがて、この”いじめ”と”殺人事件”は複雑に絡み合うことになる。
ほかにも、八神の相棒である「海東正治」や、中尾彬さんが出演する源田法律事務所の「源田龍造」など多くのキャラクター(出演陣)がいます。
探偵らしい?様々な調査アクションと爽快なバトルで遊び尽くす
「リーガルサスペンスアクションRPG」というジャンルである『ロストジャッジメント』は、探偵らしい様々なアクションが存在します。
尾行や聞き込み、追跡に変装、果ては「探偵犬」まで使うような調査も。
シリーズらしい「真面目にふざける要素」もふんだんに盛り込まれています。
バトルシステムですが、前作『ジャッジアイズ』同様3Dアクションバトルを踏襲しています。
前作でもおなじみの『一閃』『円舞』というバトルスタイルに加え、敵の攻撃を受け流して反撃する『流』というスタイルが追加。
大ダメージを叩き込む「EXアクション」や、一定時間身体能力が上がる「EXブースト」も健在です。
個人的に嬉しかったのは、前作にあった「致命傷システム(最大HPが削られる)」が無くなったのが良かったですね。
あれ、結構きつかったんですw
サブクエではないもう一つの物語「ユースドラマ」
『ロストジャッジメント』は非常にシリアスに展開する本編のほかに、もう一つ軸となる物語「ユースドラマ」があります。
学校内の様々な部活の顧問となったり、学校外の生徒の活動に参加したりすることで、陰で暗躍する『プロフェッサー』と呼ばれる組織の正体を突き止めることが目的となります。
一見サブクエ的な立ち位置かと思っていましたが、これが想像以上にボリュームがあり非常に面白いです!
所属する部活や活動によってプレイするゲームシステムは違います。
ダンス部では『ダンレボ』のような音ゲー、eスポーツ部では『バーチャファイター5』、ロボット部ではタクティカルアクション、果ては女性を口説くギャルゲーの要素もあります。
また、それぞれの完成度が非常に高く、どれも夢中にさせてくれるものばかり。
一度ハマると、本編そっちのけでユースドラマを進めてしまうほど熱中しますよ!
それぞれの”正義”
最初にお話したように、『ロストジャッジメント』は”いじめ”を題材にしたシリアスなストーリーです。
単純に”法廷で証拠を突き付けて犯人のアリバイを崩す”ゲームではないんですよね。
「正義とは何なのか?」を常に問い続けられる作品だと思います。
ストーリー序盤では学校という”聖域”で行われる陰湿ないじめを目の当たりにし、そこから被害者家族を巻き込む巧妙な復讐を目の当たりにすることになります。
明らかに悪いのはいじめ加害者だが、彼らはひょうひょうと生きている。
そんな彼らを裁けない法に代わって死という”罰”を与える者達。
誰が正しいのか?何が正義なのか?なぜ法律は脆弱なのか?など、様々な思いが錯綜すると思います。
『ロストジャッジメント』を通して多くのことを考えるきっかけになる。
これを堪能してほしいです。
気になった点
前作『ジャッジアイズ』をプレイをオススメ
『ロストジャッジメント』はストーリーは前作と繋がりはないものの、キャラクターは前作『ジャッジアイズ』から踏襲して登場するキャラクターが多いです。
前作でメインとなった「源田法律事務所」の城崎さおりや今作で「横浜九十九課」を開業した杉浦文也など、人物に繋がりがあります。
軽い説明はあるものの、おそらく『ロストジャッジメント』から始めた人は、この繋がりが少し分かりづらいかもしれません。
なので、時間があるなら『ジャッジアイズ』のプレイをオススメしたいです。
『ジャッジアイズ』も相当面白いですよ。
出来ればPS5でプレイを!
『ロストジャッジメント』はPS4版・PS5版と縦ローンチで展開されている作品ですが、出来ることならPS5版をオススメします。
というのも、ロードの早さが全く違います。
PS4版をプレイしている人に聞くと、「ロードが結構長い」という声を聞きます。
特に、タクシーで移動する場合が顕著らしく数十秒かかるとの事。
一方、PS5版のロード時間は長くて2~3秒。
この差はかなり大きいです。
総評
今回『ロストジャッジメント』は、扱うテーマが”いじめ”という事もあり非常にシリアスな作品となりました。
それだけに、考えさせられること・ゲーム内のセリフにハッとさせられることも多く「心に突き刺さる」作品でした。
はっきり言って、これでテレビドラマが作れるんじゃないかと思うほどです。
オープニングムービーで流れるjon-YAKITORY feat. Adoの『螺旋』のサビ
「お前らのせいだ。あの記憶も。この制裁も。」
という言葉が深く突き刺さります。
多くの人に手に取ってほしい非常に考えさせられるゲームです。
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