今回は『十三機兵防衛圏』のレビューになります。
2019年11月に発売された作品で発売当初は3万本ほどの販売本数でしたが、口コミでじわじわと売れ続け、一時期品薄になったことで結構話題を呼びました。
ただ、このゲームに関して「気にはなるが購入するかどうか迷っている」という人は結構いると思います。
そこで今回のレビューでは、
- 簡単なゲームシステムの説明
- オススメのゲームの進め方
- 購入を躊躇させる点について
この3つに焦点を絞って紹介していきます。
2つのゲームジャンルの”集合体”
この『十三機兵防衛圏』というゲームですが、2つのゲームジャンルの集合体になっています。
1つは”追想編”というアドベンチャーパート。
もう1つは”崩壊編”というシュミレーションパート。
”究明編”というパートもありますが、こちらはアーカイブパートなのでジャンル的な意味合いは無いです。
追想編
追想編はストーリーを追っていくアドベンチャーパートになります。
操作する主人公は全部で13人。
それぞれのキャラクターには「進行率」が設定されており、13人全員の進行率が100%になってこのパートは終了という形になります。
途中、各キャラクターのストーリーを進めていくと”ロック”がかかり、【そのキャラクターに関連する人物のストーリーを進める】か、【崩壊編のパートを進める】か、【究明編のアーカイブを開放する】ことでロック解除となりさらに先に進める仕様です。
1人のキャラクターのストーリーを独走させることなく、いわば並列的に13人のキャラクターのストーリーを進めるので「あれ?このキャラどんなストーリーだったっけ?」という記憶の迷いはそこまでありません。
ただ、時系列がかなり複雑です。
13人のキャラクターは、1945年・1985年・2025年・2065年・2105年(・2188年)とそれぞれの時代に点在し、時代によっては「同じキャラクターでも名前が違う」あるいは「容姿は違うのに名前が一緒」というタイムパラドックスの様相を呈しています。
この、時代も環境も違う13人のキャラクターが1つの時代に集結し、どのように相関性があり、どうストーリーが展開していくのかが非常に見物となっています。
最初はそれぞれのピースはバラバラでも、ストーリーを進めるごとにそのピースが綺麗に集結していく展開が素晴らしいです。
崩壊編
崩壊編は、バトルをメインにしつつ、追想編の裏側的なストーリーとして進行していくシュミレーションパートになります。
13人のキャラクターは「機兵」と呼ばれる機体を操縦し、「攻撃隊(MAX6人)」「守備隊」に分かれ、「ターミナル」と呼ばれる防衛拠点を守りながら”怪獣”と呼ばれる機械体を殲滅(せんめつ)するタワーディフェンス型のシュミレーションとなっています。
13人のキャラクターが操る「機兵」には4つのタイプがあり、
- 第1世代(G1):接近攻撃型
- 第2世代(G2):万能型
- 第3世代(G3):遠距離攻撃型
- 第4世代(G4):対空型
この4タイプを攻撃隊にどう配置するかが鍵となってきます。
バトルフィールドはそこまで広くなく、難易度も”ゴリゴリのシュミレーションゲーム”のようにそこまで高くありません。
ある程度ライトな感覚で戦略的に「機兵」を動かしながら、数多く出現する”怪獣”を一掃する爽快感がたまらないゲームパートです。
究明編
究明編はストーリーを補完するアーカイブパートで、作品に登場する人物や言葉の説明であったり、時系列を視覚的に表したパートになります。
追想編や崩壊編で獲得した「ミステリーポイント」を使用することにより、「ミステリーファイル」にある用語をアンロックしていく事で究明編の進行率が上がっていきます。
オススメのゲームの進め方
この『十三機兵防衛圏』というゲーム。
追想編の説明で少し触れたとおり、主人公が13人もいてそれぞれが別の時代にいるため、とにかくストーリーが非常に難解です。
特に、一番最初は崩壊編のチュートリアルからスタートするので、そのまま崩壊編を進めたくなる”錯覚”に陥りがちだと感じます。
もしこのまま崩壊編を進めると、何も知らないまま13人の主人公たちを操るのですから訳が分からなくなります。
東雲諒子(しののめりょうこ)や関ヶ原瑛(せきがはらえい)など、なぜ”彼らがそこにいるのか”分からないまま話だけ進んでいくのですから・・・。
なので、まず最初に「追想編を進めるだけ進める」のが一番オススメです。
先に述べたように追想編を進めていくと、その後の進行がロックされる場面に遭遇します。
そこで、ロック解除の要素が「崩壊編を〇〇まで進める」となった時に崩壊編に手を付けるというやり方。
ただ、他のキャラクターたちのストーリーが進行可能なら、そのキャラクターは他のロック条件にぶち当たるまで進めた方が尚良しです。
追想編で崩壊編を進めることがアンロック条件になっていることは少ないので、とにかくストーリーを進めましょう。
また、どうしてもストーリーの全体像が分からないという時は究明編を見返すとさらに◎です。
購入を躊躇させる点について
口コミでこのゲームの良さが浸透していった『十三機兵防衛圏』
私も今の今まで購入を躊躇していました。
というのも、このゲームは先に述べたように「2つのゲームジャンルの集合体」だからです。
「アドベンチャーゲーム」と「シュミレーションゲーム」という結構ニッチなゲームジャンルのため、どちらかが苦手だったら手を出しづらいんですよね。
これは凄く分かります。
私の場合だと、「シュミレーションゲーム」が少し苦手なので「さて、どうしたものか…」と迷ってました。
結果的には、シュミレーションパートの崩壊編にハマってしまうという自分でも予想もしない結果だったんですがねw
ただ、「アドベンチャーゲーム」が苦手な人にはちょっとキツイです。
登場するキャラクターは13人。
しかも13人全員のストーリーを追わないといけない。
さらに、13人は時代が違う世界にいる。
これを”やりがいがある”と思うか”大変”と思うかでこの作品の捉え方が大きく変わってくると思います。
プレイした感想としてすぐに感じたのは「間違いなく”人を選ぶ”ゲーム」だということ。
ただ、アドベンチャーゲームに抵抗が無く、シュミレーションゲームに抵抗を感じる人は、あまり気にせずすんなり入っていけそうだという気はします。
私がそうでしたから・・・。
まとめ
このゲームを一言で表すのは相当難しいです。
2つのゲームジャンルの集合体でありながら、それぞれがストーリーにしっかりと紐づいており、謎が解けた時のシックリ感はミステリー作品さながらです。
非常に尖った作品であり人を選ぶのは間違いないのですが、とにかく作品の完成度が凄まじいので冒険をする意味でもチャレンジしてもいいと思います。
私の様に(シュミレーションが)苦手なジャンルだと思っていても、逆にそっちに魅了されるということはありますからね。
以上『十三機兵防衛圏』のレビューでした。
P.S このゲームはロードが一切無いのも魅力の1つです。
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