実はつい先日、PlayStationVR(以下、PSVR)を売りました。
売った理由ですが「無くても特に困らない」から。
いや……
もっと言えば「気軽に遊べない」というのが本音です。
PSVRを買った当初は新しいゲーム体験に心躍ったものですが、今にして思えば「PSVRは早すぎる技術だったんじゃないか」と思うことが多いです。
今回はPSVRに関して
- なぜPSVRが早すぎたと感じたのか?
- 今後に期待すること
について、簡単にお話していこうと思います。
なぜPSVRは早すぎたと感じたのか?
まず、「なぜPSVRが早すぎたと感じたのか?」という点についてです。
PSVRを遊んでの率直な感想ですが、
メリットよりもデメリットの方が多い
と感じています。
その理由は3つあります。
【理由①】”VR疲れ”と”VR酔い”との戦い
一番の原因は”VR疲れ”と”VR酔い”です。
正直なところ、VRゲームで長時間遊んでいられるゲームはかなり少ないです。
大体30分~1時間おきに休憩が必要になるほどかなり疲れます。
特に、目と脳が疲れるんですよね。
バーチャルの世界を認識するために、無意識に目が集中しているのが原因でしょう。
そして、大変なのが”VR酔い”。
これはかなりキツイです。
VRのゲーム色々プレイして分かったのですが、VR酔いを引き起こすゲームは決まっています。
それは「自分が主体となって、ゲーム内の移動を伴う」ゲーム。
例えば、レースゲームであったり、自身が動いて探索するゲームがそれにあたります。
現実世界では一歩も動いていないのに、バーチャル世界では躍動的に動いているので「脳が混乱を引き起こしている」んですよね。
ずっと遊んでいればVR酔いに多少の耐性はつくものの、それでも苦労を伴います。
つまり、
ゲームなのに気楽に遊べない
という非常に高いハードルが存在することになります。
【理由②】画質の”粗さ”
次に「画質」です。
【理由①】で述べた”VR疲れ”と”VR酔い”を引き起こす要因に、「画質」も関連していると感じています。
PSVRの解像度は1920×1080px。
これはTVでいうところのフルハイビジョン画質に当たります。
ただ、これは左右のレンズを合わせて見える画質で、実際は(960×1080px)×2の画質です。
たしかに、PSVRで映し出される世界は綺麗ではあります。
ただ、レンズ越しにゲームを認識しているためか、全体的に薄い霧が掛かったように映ります。
また、片方の目だけだと画質はかなり落ちるので、綺麗に見えるのに粗さを感じるという奇妙な現象を体感します。
これも”慣れ”でどうにかなるんでしょうが、私は慣れることが出来ませんでした。
【理由③】名作ゲームが少ない
あと、「名作ゲームが少ない」という事も挙げられます。
実は、私がPSVRを体験した中で一番面白いと感じたのが『テトリスエフェクト』でした。
正直、「一番VRらしくない作品が一番面白かった」んです。
たしかに、VR空間で自由に行動できるというのは物凄い没入感を生み出します。
けど、「自分(1人称)視点であることがVRのすべてである必要は無い」んですよね。
『テトリスエフェクト』のような作品がもっと増えればVRの裾野は広がりそうな気はします。
また、『シティーズ:スカイライン』のようなシュミレーションゲームで、VR空間で俯瞰的に発展する世界を楽しむようなコンテンツも面白そうな気はします。
「VR空間でジオラマを作り上げるイメージ」です。
あと、VR空間で萌えキャラと過ごすとかねw
今後に期待すること
気楽に遊べる”手軽さ”が欲しい
まずは何よりも「気軽に遊べる”手軽さ”」は欲しいです。
PSVRは装着・脱着が地味に手間なので、スリム化・軽量化はしてほしいところです。
以前、『Photontree X』という頭部装着型のプライベートシアターを体験しましたが、これは相当手軽でした。
「頭に固定してしまえば、重さはあまり関係ない」と思っていましたが、スリムさ・軽さがここまで効くとは思わなかったのを実感しています。
「ワイヤレス化」も重要ですね。
どうしても配線は邪魔ですし、かさばります。
画質の向上
あとは画質の向上もマストだと思います。
ハードがPS5に移り、4K・8Kに対応するのでここは是非合わせてきてほしい。
もし、PSVRⅡがリリースされるのであれば尚更です。
もっと言えば、「PSVRⅡ越しに見える世界では、8Kが体験できる」となれば、かなりの売りになると思ってます。
まとめ
PSVRの発売により「VR元年」などと話題になったことはありましたが、それ以降普及が進んだかといったらそうでもないと思います。
PSVRは、2019年末の時点で全世界累計販売台数が500万台を突破しています。
突破はしているものの、VRのゲームソフトはランキングに絡んできません。
つまり、500万台という販売台数でもゲームソフトの売り上げに寄与していないという事なのかもしれません。
価格はともかく、「手軽に・気軽に遊ぶには今はまだハードルが高い」という事を私自身が身に染みて実感しています。
だからこそ「PSVRは、今は早すぎた」と感じています。
ただ、ここで進化が止まるにはもったいない技術。
ハードはPS5に移り、ゲーム体験は更なる次元へと引き上げられます。
PSVRの更なる進化を期待しつつ、今はその時を静かに待ちたいと思います。
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