今回は『Detroit: Become Human(デトロイト:ビカムヒューマン)』を紹介します。
発売日は2018年5月。
プレイヤーの選択によって、物語が変わる「オープンシナリオアドベンチャー」ゲーム。
傑作です。
ストーリー
ストーリーについては、以下の通りです。
西暦2038年のアメリカ・デトロイト。AI技術とロボット工学の発達により、人間そっくりのアンドロイドが製造されるようになり、人間は過酷な労働から解放されようとしていた。それにより人類は更なる経済発展を手に入れる一方で失業率が増大。貧富の格差が拡大していった。アンドロイドによって職を奪われた人々は反アンドロイド感情を持つようになり、排斥運動にまで発展していった。
2038年8月、家庭用アンドロイドが所有者を殺害し、所有者の娘を人質に立てこもる事件が発生した。そのアンドロイドはまるで意思や感情を持つようで「変異体 (Deviant)」と名付けられた。以後、変異体はその1体にとどまらず、増え続けていった。「変異体」には、与えられた仕事を放棄し逃亡したり、中には人類からの解放を叫び「革命」を起こそうとする者もいた。アンドロイドは単なる「便利な機械」なのか?それとも、生きているのか?人類は、新たな課題に直面する
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
”自我”が芽生たアンドロイドに対して、”あなた”はどのような選択を取るのか
という、近未来に直面するであろう内容をリアルに再現した、非常にシリアスなストーリーとなっています。
世界観はSF寄りではあるものの、描かれる内容は非常にリアル。
そのため、「近い将来、現実世界で、実際に起こりえる”未来”なんじゃないか」と感じるほどこのゲームのシナリオの完成度は非常に高いです。
3人の主人公
コナー
警察の捜査をサポートする最新型の試作アンドロイド。
”変異体”により覚醒したアンドロイドを追うようにプログラムされており、非常に高い分析力・洞察力・コミュニケーション能力を持っている。
捜査はもちろん、プロファイリングや犯人との交渉・尋問もできる。
カーラ
家事・育児用のアンドロイド。
「サイバーライフ」というアンドロイドを取り扱う店舗で、トッドという中年男性に購入されるところから物語が始まる。
以前に何度か『損傷』しており、そのたびに修理に出され初期化されている。
マーカス
自律型アンドロイドで、カーラの男性版という感じ。
カールという画家のもとで、介護支援やアシスタント業務を行っている。
リアルすぎる未来の設定
このゲームの中では、アンドロイドがヒトと共存を始めるのが2038年。
SFのような世界観であるとはいえ、ゲーム内で起こっていることにリアルさを感じずにはいられません。
- 失業率増加による、アンドロイドのへの差別
- 人間によるアンドロイドへの虐待
- アンドロイドの性産業への進出
もはや、ヒトの”業”の塊と言わんばかりの出来事が、生々しく描かれています。
それだけに、このゲーム内で起こっていることを「最後まで見届けなければいけない」という使命感すら感じるほどです。
ゲームシステム
このゲームシステム、公式HPでは「オープンシナリオアドベンチャー」と呼ばれています。
マップ内では主人公はある程度自由に行動でき、ストーリーはゲーム内の”選択肢”で進行する「フローチャート」方式です。
この『選択』によって物語は複雑に分岐していきます。
また、選択肢のなかにはゲームのシチュエーションと同期しているものあり、制限時間が設けられているものが多いのも特徴の1つです。
また、上記で述べたようにストーリーが非常にシリアスなため、選択すること自体に”苦しさ”を感じる場面が多く、「この選択でよかったのか?」と、自問自答を繰り返すことも多々あります。
わたしたちの物語、あなたの未来
『Detroit: Become Human』 の主人公は3人ともアンドロイド。
ストーリー進行に必要な選択肢は、アンドロイドに与えれれています。
ただ、少し見方を変えてみて下さい。
あなたが選んだ選択肢は、そのまま人類(あなた)の行く末に影響するということを……。
『Detroit: Become Human』 のキャッチコピーは
わたしたちの物語、あなたの未来
視点を変えることで見えてくる。
このゲームの奥深さが、このキャッチコピーに秘められていると考えています。
まとめ
繰り返しにはなりますが、『Detroit: Become Human』は内容がシリアスな上に苦しい決断を迫られることが非常に多いです。
その分、感情移入の度合いが凄まじく、ものすごい没入感が生れます。
そして、クリア後は様々なことを深く考えさせられます。
- 人間のあるべき姿とは?
- ”命”とは何か?
- ”生きる”とは何か?
私も長年いろんなゲームをやってきましたが、ここまで考えさせられたゲームはないです。
1週15時間程度のマルチエンディング方式なので
「さんざん悩んだあの選択。違う選択をしたらどうなるだろう」
と周回を回すのもいいです。
このゲームを通して、ぜひあなたの未来を創ってみて下さい。
以上、『Detroit: Become Human』のレビューでした。
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