2024年2月1日の「State of Play」で突如発表された『SILENT HILL: The Short Message』のレビューとなります。
「サイレントヒル」とは
「サイレントヒル」は1999年に発売され、以後2013年まで多くの作品が発売されたホラーアドベンチャーゲームです。
「バイオハザード」のような異形の敵(クリーチャー)が登場し、ゴーストタウン化した街を脱出するのがメインですが、「バイオハザード」のような海外のパニックホラーテイストと、日本の心霊的な和ホラーテイストが入り混じった作品で雰囲気による怖さを中心としたシリーズです。
2013年以降、シリーズ作品のリリースは途切れて10年、KONAMIが「サイレントヒルシリーズ」のリブート計画を発表。
「SILENT HILL 2」のリメイク版の開発を発表していた中、2024年2月1日、突如として「SILENT HILL: The Short Message」がリリース。
しかも、無料でダウンロードできるという超大盤振る舞いの展開となりました。
ストーリー
では、「SILENT HILL: The Short Message」のストーリーを簡単に紹介しましょう。
主人公はアニタという少女。
彼女にはマヤという友人がおり、スマホのメッセージで「ヴィラ」と呼ばれる廃墟に呼ばれる。
廃墟である「ヴィラ」は、ストリートアートである”グラフィティ”が描かれるメッカとして有名でありながら、同時に自〇の名所としても有名な場所。
マヤはグラフィティで有名な少女であり、アニタにとって数少ない友人の1人であった。
そんな彼女の呼び出しにヴィラへ向かうも突如気を失ってしまう。
ふと目覚めると、アニタはヴィラの一室にいたが様子がおかしい、というか不気味そのものであった。
不意にアニタのスマホにマヤから
「見つけるまで、ここから出られない」
という、奇妙なメッセージが届く。
果たして、アニタはマヤを見つけることが出来るのか?そして、ヴィラから脱出出来るのか?
以上がストーリーの大まかな流れとなります。
サイコロジカルホラー
「SILENT HILL: The Short Message」はいわゆる「サイコロジカルホラー」と呼ばれるもので、廃墟という物質的な怖さに加え、主人公アニタの精神世界を投影した心理的な怖さが入り混じっています。
この2つを繋ぐ役目を担うのがスマートフォンという、なんとも現代的なつくりでありますが、これが非常にシックリきます。
ゲーム自体は一人称視点で進めるアドベンチャー形式ですが、主人公が出来ることは「移動」と、「扉を開ける」「オブジェクトを読む」といった接触アクションくらいしかできません。
なので、従来の「サイレントヒルシリーズ」のような攻撃は出来ないということを念頭に置いておきましょう。
廃墟であるヴィラの内部はめちゃくちゃ「不気味」です。
朽ち果てた建物、そこら中に散らかる様々な物、壁に描かれたグラフィティ、そして夜という暗さが”異様さ”をより際立たせます。
中には、壁一面に付箋が張られ、攻撃的な言葉が書かれた部屋などもあり訳が分からなくなりそうになることも。
「怖さ」や「不気味さ」に慄(おのの)きながら、先に進まざるを得ない独特のホラー感が何とも言えません。
これは個人的な感想になりますが、正直そこまで”怖さ”はないです。
夜の廃墟とはいえ、画面は結構明るく見やすいですし、ドッキリ演出もかなり控えめです。
多分、怖くしようと思えばもっと怖くできたと思うのですが、あまり怖すぎると途中でやめる人も多いでしょうから、敢えて抑えたんだと感じました。
ただ、途中で「化け物」との鬼ごっこ的な要素は結構ドキドキします。
【総評】これが無料とは考えられない!
これはプレイしていた時から感じていたのですが、正直このゲームが無料であることが考えられないほどクオリティが非常に高いです。
それこそゲームボリュームは2時間半ほどではありますが、非常に緻密に作られたフォトリアルな世界観と異様さを放つ精神世界、そして実写の人物も出演。
とても重たいストーリーではありますが、綿密に作られたその内容に驚きです。
普通に売られていてもおかしくないほど作りこまれていると感じざるを得ません。
KONAMI側も「このゲームを皮切りに「サイレントヒル」に興味を持っていただきたい」という気持ちの表れだと思うのですが、それにしても大盤振る舞いすぎて「凄いな!」と思いました。
これは俄然「SILENT HILL 2」のリメイク版に期待せずにはいられないです。
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