「ファイナルファンタジー16(FF16)」レビュー(感想)|色んな意味でクリスタルの加護を断ち切る覚悟をみせた作品(褒め言葉)[ネタバレ無し]

FF16

満足度9.0/10点満点

今回は『ファイナルファンタジー16』のレビューになります。

今作『FF16』は”覚悟”を感じた作品でした。

※ネタバレはありません

目次

『FF』なのにレーティングがまさかのCERO「D」

まさかのCERO「D」

私がパッケージを手にして真っ先に驚いたのが、

「え?レーティングがCERO「D」??」

ということでした。

レーティングとは「このゲームをプレイするのに適した年齢水準」のこと。

もはや語るまでもないですが、『ファイナルファンタジー』は日本国内で知らない人がいないんじゃないかというくらい浸透したシリーズですよね。

プレイする年齢層も幅広いため、たいがいの『FFシリーズ(ナンバリング)』のレーティングは「A(全年齢)」か「B(12才以上)」が多く、高くても「C(15才以上)」止まりです。

しかし、今作『FF16』のレーティングは、何とCERO「D」。

17才以上推奨となってます。

これがどれだけ攻めているかは、実際にプレイして内容を確認して頂ければ納得されると思いますが…

想像以上にストーリーが”重い”です。

特に、序盤で主人公のクライブが「◯してやる」と叫ぶシーンは、胸が張り裂けそうになるくらいツラくて少し泣いてしまいました。

また、表現としては、血しぶきを浴びた主人公のクライブの姿が多いのも『FF16』の特徴です。

それだけ過酷な場面(間接的)が多いということですね。

さらに、一部肌を露出するシーンもあるので、それもCERO「D」になった原因だと思います。

国民的なシリーズであるため、もっとマイルドに作られた作品かと思いきや、ゴリゴリに攻めたそのストーリーに圧倒されると思いますよ。

想像以上に重いストーリーが展開する

誰もが遊べるほど調整されたバトルアクション

誰もが遊べるほど調整されているバトル

では、今作『FF16』のバトルアクションについて簡単に紹介します。

今回の『FF16』のバトルは、シリーズ初となる完全なアクションゲームとなっています

これまでのATBバトルが好きだった人はこう思うでしょう。

「『FF』は好きだけど、アクションゲームはちょっと…」

と。

ご安心下さい。

ハッキリ言って、アクションゲームが出来なくてもクリア出来るほど徹底的に調整されてます

簡単に『FF16』のバトルでの操作をご案内しましょう。

  • □:剣攻撃
  • △:魔法攻撃
  • X:ジャンプ
  • 〇:召喚獣アビリティ
  • R1:回避
  • L1:ロックオン
  • L2:召喚獣切り替え
  • 十字キー:アイテム・トルガルのショートカット
  • R3+L3:リミットブレイク

この様に見ると、操作はもはや『デビルメイクライ』並みに複雑に見えます。

これをアクションゲームが苦手な人が出来るのでしょうか?

・・・出来るんですよ。

「出来る」というと語弊があるのですが、実際は「やってくれる」という感じです。

『FF16』は、主人公クライブの初期装備に「オート○○○リング」というのがあります。

これは、アクション操作を”自動”で行うリング。

敵への攻撃を自動で行うものもあれば、敵の回避を自動で行うものもあります。

この「オート○○○リング」を装備すると、究極、プレイヤーを動かす(移動させる)だけでクリア出来るんじゃないか?と思うほどサポートが充実してます。

また、“ストーリーフォーカス”モードでは□ボタン連打で状況に応じた攻撃が勝手に出るので、複雑な操作も不要です。

なので、安心してください。

余裕で遊べますよ!

慣れてきたら徐々にリングを外すのも〇。

召喚獣バトルが凄い!

召喚獣バトルが凄い!

さらに、『FF16』には通常のバトル以外に召喚獣同士が戦う「召喚獣バトル」があります。

この召喚獣バトル、正直言って、めちゃくちゃ迫力があってかなり好きです。

単純に巨大化して戦うということが楽しかったりもしますが、ド派手な演出に加え、クライマックス感MAXのBGM、桁違いのダメージ量。

そして、それらをロード無しでシームレスに繋げるPS5のスペック。

作り手の皆さんから「存分に楽しんでください!!」という声が聞こえんばかりの盛り上りで、正直私は泣きそうになりました。

とにかく”魅せる”ことにこだわった(と思う)召喚獣バトルは、確かにイベントバトルであり、やられることはまずありませんが、私の心にはしっかりと刺さりました。

愚直に進む一本道のストーリー

とにかく一本道で進む

昨今のRPGといえば”オープンワールドRPG”が主流となっており、「どこに行くか」も「どう進むか」もプレイヤー次第で決められ、自由度が非常に高いのが特徴です。

この世の中の流れを見れば、『FF16』もオープンワールドにするのがいいのかもしれません。

しかし、『FF16』のゲーム進行は、愚直と思えるほど”一本道”にゲームが進行していきます。

簡単に言えば、『FF7リメイク』のようなチャプター型の進行になっており、攻略するエリアが決まっています。

エリアが決まっているので、目に見えるすべての場所に行けるわけではありません。

また、エリア内もほぼ一本道で構成され、脇道にそれるような場所はサブクエストやリスキーモブ討伐などに関連する場所なので、後で立ち寄る場合が多いです。

各エリア間は、ワールドマップからファストトラベルのような形で行き来は出来ますが、メインクエストが進行中の場合は行けなくなる場合が多く、そのクエストを完遂する必要があります。

ワールドマップから行き来は出来るが、移動を制限されることも多い

見事なまでの”一本道”です。

けど、私にはそれが好印象に感じました。

『FF16』に深く没入出来たからです。

『FFシリーズ』と言えば、やはり「圧倒的に完成されたストーリー」があると思うんですよね。

それを今作『ファイナルファンタジー16』という中で体現するために、オープンワールドではなく一本道にしたというのは、かなりの”覚悟”が必要だったと思います。

その”覚悟”があったからこそ、これほどまでに高く没入出来る作品に仕上がったと思っているんですよ。

むしろ、「一本道で良かった」とすら感じるほどでした。

そうは言っても、それで終わりではないのが『FF16』。

実は、ゲームをチャプターごとに遊び直す「リプレイモード」という機能もあります。

これにより、道中で取り逃がした宝箱を回収できることも可能。

一本道のリスクはこの「取り逃がし」で、回収出来なければクリア後に周回を重ねるという苦行を行う必要がありましたがその心配もありません。

また、それに合わせチャプター間のハイスコアを目指すスコアアタックモードなど、アクションゲームならではモードがあるのも良いです。

装備・スキル周りも結構シンプル

あと、装備やスキル周りも案外シンプルにまとまっているように感じました。

装備については、武器1種類、防具2種類、アクセサリ3種類のみ。

武器や防具は強化も出来ますが、メインストーリーを遊ぶ分には強化はほぼ必要ありません。

それよりも重要なのは「召喚獣スキルのセット」です。

召喚獣スキルが重要

召喚獣スキルは特殊攻撃にあたるもので、かなり攻撃力が高いです。

この、召喚獣スキルをいかに効率的にセットするかで火力が大幅に変わります。

特に、敵がテイクダウンした際は召喚獣スキルで攻撃を叩き込めるチャンス。

ダウン中に何万ダメージという”お仕置き’が出来る爽快感はたまらんですよ!

召喚獣スキルで叩き込む”お仕置き”がたまらんです

バトルアクションスキルもありますが、これは最初から獲得出来るものがほとんどで、且つ数は多くありません。

バトルアクションが多すぎると、逆にプレイヤーがどう操作すればいいか分からなくなり混乱する可能性もあるので、あえて数を絞っているものだと思います。

これ、隠れたGOODポイントだと思いますよ。

アクションスキルも多くないので操作を覚えやすい

これまでの『FF』と明らかに一線を画す物語

憎しみに駆られる主人公が凄まじく、これまでの『FF』と明らかに違う

以下、完全に個人的な解釈になります。

私は、この『FF16』という作品は、過去の『FFシリーズ』から”脱却”した作品だと感じました。

もちろん、いい意味でですよ。

『FF16』は「クリスタルの加護を断ち切ること」がテーマとして描かれてます。

この「クリスタルの加護」とは『FF16』のテーマとしてだけではなく、これまでの『FFシリーズ』としての側面もあると思うんですよね。

つまり、「これまでの『FFシリーズ』の恩恵を断ち切る覚悟で臨んだ作品ではないか?」と捉えました。

『FF』なのにCERO「D」という攻めに攻めたストーリー展開

これまで培ってきたATBシステムから完全なアクションバトルへの変更

オープンワールドRPGが主流の時代に抗うかのごとく突き進む「一本道」のエリア構成

まさに、これまでの『FF』から”脱却”するかのような構成です。

しかし、プレイするほどに「これは間違いなく『ファイナルファンタジー』だ」と認識出来るほど『FFシリーズ』の”芯”の部分は変わってません。

この『FF16』という作品は、本当に好きな作品となりました。

楽しまなきゃもったいないよね?

もちろん、不満がないかといったらそうではありません。

サブクエストが単調だったり、いくら調整しても画面の暗さが気になったりという不満はいくつかあります。

けど、それらを持って「このゲーム(全体)は面白くない」にはならないし、その他の秀でた部分をガッツリ楽しめれば満足だ!

というのが、私の考えであり、プレイスタイルになります。

悪く言えば「細かいことは気にするな」といういい加減なプレイスタイルになるんですけどねw

案外、悪くない楽しみ方だと思います。

気になる点はあるけど、面白さのほうが勝った

総評

新たな『FF』を見た気がします

歴史あるナンバリングであるが故に大衆性を求められる作品でありながら、そこに新しい礎を築いた『FF16』。

プロデューサーである吉田さんのプレッシャーも半端ではなかったと思います。

吉田さん。

『FF16』面白かったです!

言い過ぎかもしれませんが、これからの『FFシリーズ』に光を示した作品になったと感じました。

是非、多くの人にプレイして欲しい『ファイナルファンタジー』です。

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