今回はPS5の『スカーレットネクサス』をレビューしていきます。
開発はバンダイナムコエンターテインメント。
新規IPということもあり、発売前から注目度も高かった『スカーレットネクサス』。
このゲーム…
めちゃくちゃ丁寧に作られたゲーム
です。
ゲーム構成
『スカーレットネクサス』ですが、ゴリゴリのアクションRPGという訳ではありません。
私の感覚的には
- ストーリーパート:3
- アクションパート:3
- スタンバイフェイズ:3
- サブクエスト:1
というゲーム構成になっていると感じました。
ゲームの進行は「フェイズ」という”章”によって区切られており、メインフェイズでストーリー(アクション)を進め、その間に「スタンバイフェイズ」というアドベンチャーパートのようなゆったりした”章”が差し込まれます。
例)フェイズ1➡スタンバイフェイズ1➡フェイズ2➡スタンバイフェイズ2…
また、『スカーレットネクサス』は「ユイト」と「カサネ」というダブル主人公によるストーリー構成になっています。
ゲームスタート時に「ユイト編」か「カサネ編」を選択し、それぞれのストーリーを完結まで進め、その後にもう一方の主人公をプレイすることで物語の全貌が把握できるというシステムです。
そのため、ゲームボリュームが非常に大きくなっており、ストーリーを丁寧に読み込んでいけば両方の主人公クリアまでに60時間強はあると思います。
とにかく丁寧に作られたゲーム
先にも紹介しましたが、この『スカーレットネクサス』というゲーム、めちゃくちゃ丁寧に作られています。
- ストーリーがしっかり作り込まれている。
- 登場人物のキャラクターも一人一人しっかり”立って”いる。
- バトルは爽快で病みつきになる面白さがある。
- チュートリアルもしっかりしていて、分かりやすい。
- バグなし。
1つ1つを見ていくと本当に丁寧に作られていることがわかり、そこに熱意さえ感じ取れます。
ストーリー
以下、『スカーレットネクサス』のストーリーを簡単にまとめたものです。
はるか昔、突如空から人間の脳を食らう怪物が出現する。人はそれを「怪異」と呼んだ。人類は長きにわたり閉塞した生活を余儀なくされていたが、脳科学の発達により突出した脳力を持つ「超脳力者」たちが生まれる。超脳力者たちは「怪異」を殲滅できる力を持っていた。この超脳力者で編成された組織「怪異討伐軍(怪伐軍)」により人類は「怪異」に対抗していた。今年も怪伐軍に新入隊員がやって来る。彼らもまた「怪異」との終わりなき戦いに身を投じてくこととなる…。
この様に『スカーレットネクサス』のストーリーは「人類(超脳力者)と怪異(モンスター)の戦い」を描いたものですが、物語を進めていくごとに明らかになっていく”ある秘密”や、人々の対立・悲劇・葛藤などが非常に綺麗にまとまっています。
また、主人公含む登場人物たちがフルボイスで”よく喋る”ため、難しいことでもかみ砕いて理解できます。
そう、「分かりやすいので、ストーリーに没頭できる」んです。
キャラクター
『スカーレットネクサス』はダブル主人公で(怪伐)軍ということもあり、同行するキャラクターがかなり多いです。
同行するキャラクターは主人公含め10人。
登場するキャラクターは全員魅力的です。簡単に紹介していきましょう。
ユイト・スメラギ
【超脳力】念力
主人公。
優しさを強さを兼ね備え、協調性豊か。
「バッキィちゃん」という土偶のようなマスコットキャラが超好き。
普通これだけの仲間がいれば2~3人は影が薄いキャラが出来そうですが、『スカーレットネクサス』では一人一人のキャラが丁寧に描かれているので全員のキャラがちゃんと”立って”います。
これ、何気に凄いことだと思います。
個人的なお気に入りキャラは「シデン」と「アラシ」。
シデンは最初めちゃくちゃ嫌いでしたが、人間的に成長を遂げていく様子を見て好きになりました。
アラシは能力高いけどサボり癖があるギャップが良いです。「ぐでアラ」という愛称も好きですね。
あとは「キョウカお姉さま」。
なんとなく察しは付くと思いますw
バトルが◎
肝心のバトルですが、これがめちゃくちゃ楽しく独特の爽快感があります。
主人公であるユイトは剣を、カサネは扇の様な武器で攻撃出来、さらに超脳力による”念力”でエリア上に散らばる物体を敵に「投げつける」ことが出来ます。
また、同行する仲間の超脳力を[SAS]という仮想ケーブルを介して借り受けることが出来るので、自身の”念力”に加え”発火”や”瞬間移動”などの同時発現で更に強力でアグレッシブなバトルスタイルを確立できます。
また、攻撃を続けることで「脳駆動(ドライヴ)」状態となり、念力の発動時間短縮・攻撃力UPといった恩恵もあります。
さらに、プレイヤーが有利に働く特殊な空間を展開できる「脳内空間(ブレインフィールド)」で、”念力”を無制限に活用できる超強力な仕様も存在します。
この様に、「通常の攻撃」に加え「念力」「SAS」「脳駆動」「脳内空間」とバトルアクションが豊富なので「めちゃくちゃ忙しそう!」という印象を受けますよね。
けど、不思議なことに実際にプレイすると普通に出来ちゃうんですよ。
というのも、最初は「攻撃」「念力」「SAS」のみ使用でき、「脳駆動」「脳内空間」は段階的に習得(発現)していくので【バトルスタイルを馴らしながら新しいアクションを覚えることが出来る】んですよね。
そのためか、敵の種類は少ないものの出来る事がどんどん増えていくので戦闘が楽しくてたまらないです。
欲を言えば、やり込み要素として『バトルダンジョン』みたいな仕様が欲しかったです。
それほど楽しいバトルです。
気になった部分
スタンバイフェイズは必要だったか?
『スカーレットネクサス』はメインフェイズの間にスタンバイフェイズを挟むことは説明しましたが、これがゲームのテンポを止めます。
確かに、盛り上がってくるストーリーに少し休憩を挟むという意味では良いのかもしれません。
しかし、私のようなバトルアクション大好きな戦闘狂の場合は”腰を折られるフェイズ”なんですよね。
スタンバイフェイズで仲間との絆を深め、それがアビリティ獲得に繋がるのは〇です。
ただ、「もっとバトルを楽しみたい」「ストーリーが気になるから早く先を追いたい」ところで足止めを食らうのでもどかしい気持ちになってしまうことが多かったです。
特に、終盤のフェーズではそれが顕著になります(ネタバレになるのでそれ以上は話さず…)。
メインフェイズ内に絆ストーリーを上手く組み込んでスタンバイフェイズ無しでも良かったのかなと感じました。
丁寧ゆえに長い
また、丁寧に作られたがゆえに「ストーリーが長い」と感じました。
それは先に述べたスタンバイフェイズによるものもあります。
あと、正確にはストーリーが長いというよりは「フルボイスによるセリフのやりとりが長い」です。
『スカーレットネクサス』は、物語をより分かりやすくプレイヤーに印象付けるために、一人一人の心情がかなり細かく描かれていたり、説明が長くなったりすることがあります。
そのため、必然的に個人個人のセリフが長く、セリフの”無言の間”による心情表現も豊かです。
ストーリーが魅力的でセリフの心情表現も抜群に上手いので「このボイスを聞き逃さずにしっかりとストーリーを追いたい」という気持ちはあるんですが、いかんせんその長さのためか字幕で理解してボイスを飛ばしたくなる欲求が強くなってしまうんですよね。
多分、そのためか「ストーリーが長い」と感じてしまったんだと思います。
総評
個人的には「想像以上に楽しめる非常に良質なアクションRPG」でかなり満足度が高い作品でした。
なんだろう・・・製作者の方々の熱意を凄く感じる事が出来るゲームなんですよね。
ストーリー・バトル・キャラクター・セリフ回し等、本当に丁寧に丁寧に積み重ねて『スカーレットネクサス』が出来たんだと感じ取れます。
是非とも続編を出して欲しいゲームです。
以上、『スカーレットネクサス』のレビューでした。
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