今回は『METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER(メタルギアソリッド3:スネークイーター)』をレビューしていきます。
『メタルギアソリッド』の始まりの物語で、今尚根強いファンを持つ『メタルギアソリッド3』
『メタルギア』シリーズ屈指の名作としても知られている作品です。
制作は小島秀夫氏。
『DEATH STRANDING(デスストランディング)』の生みの親です。
『メタルギア』の時系列
そもそも『メタルギア』シリーズは、その難解なストーリーゆえに”手を出しづらい”作品の1つでもあります。
正直な事を言えば、私も理解しきれていない(忘れてしまった)部分が多いです。
なので、最初に『メタルギア』シリーズを簡単に整理していきます。
まずは、『メタルギア』シリーズを発売日順に並べていきます。
タイトル | 発売日 | 発売されたハード |
メタルギア | 1987年 | MSX2 |
メタルギア2 ソリッドスネーク | 1990年 | MSX2 |
メタルギアソリッド | 1998年 | PS1 |
メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティー | 2001年 | PS2 |
メタルギアソリッド3 スネークイーター | 2004年 | PS2 |
メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット | 2008年 | PS3 |
メタルギアソリッド ピースウォーカー | 2010年 | PSP |
メタルギアソリッドⅤ グラウンド・ゼロズ | 2014年 | PS4・PS3・Xbox 360 |
メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン | 2015年 | PS4・PS3・Xbox 360 ・Xbox One・PC |
実は『メタルギア』シリーズは、1987年から制作されていた作品なんですよ。
こうやって見ると、『メタルギア』シリーズの歴史の長さがうかがえますよね。
では、次に『メタルギア』シリーズの時系列を見ていきましょう。
通常、ゲーム内の時系列は、ナンバリングごとに進行していくのが一般的です。
『メタルギア』シリーズでは、以下のような時系列で作品群が並びます。
ゲーム内での時間軸 | タイトル |
1964年 | メタルギアソリッド3 スネークイーター |
1974年 | メタルギアソリッド ピースウォーカー |
1975年 | メタルギアソリッドⅤ グラウンド・ゼロズ |
1984年 | メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン |
1995年 | メタルギア |
1999年 | メタルギア2 ソリッドスネーク |
2005年 | メタルギアソリッド |
2007年~2009年 | メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティー |
2014年 | メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット |
いかがでしょうか?
ナンバリングと時系列がほぼ一致してないです。
そのため、未プレイの人は「……どういう事??」となりますよね。
なので、
「『メタルギア』シリーズは、どこから手をつけたらいいかわからん!」
となるのも無理はありません。
かくいう私も『メタルギア』『メタルギア2』『メタルギアソリッド ピースウォーカー』はプレイできていません。
確かに物語をすべて理解するという面においては、敷居が高い作品であることは間違いありません。
しかし、1つの作品で1つの事件が完結するように作られているため、過去や未来に繋がる伏線となっている部分は理解できなくても、クリアした達成感は味わえるようになっていると感じています。
また、伏線の部分をある程度理解出来るようになると、断片的に紡がれたストーリーが、「カチッ」とはまる様に繋がるので、それが気持ちよかったりもします。
名曲「Snake Eater」
『メタルギアソリッド3』には、ある名曲があります。
それは、オープニングで流れる「Snake Eater(スネークイーター)」
数ある『メタルギア』シリーズの音楽の中でも最高に素晴らしいと思います。
曲の世界観も素晴らしいし、何より歌声がバツグンです!
小島監督によると、この曲は「60年代のスパイ映画を意識して作られた」とのこと。
無類の映画好きで知られる小島監督。
「僕の体の70%は映画で出来ている」
という言葉はあまりにも有名ですよね。
今でも、いつまでも心に残る名曲です。
2部構成型のストーリー
それでは『メタルギアソリッド3』のストーリーについてです。
『メタルギアソリッド3』のストーリーですが、大きく2つのストーリーで構成されます。
ヴァーチャスミッション
スネークイーター作戦
この2つです。
ヴァーチャスミッション
バーチャスミッションとは、特殊部隊「FOX」の初の実戦任務、作戦名のことを指します。
任務内容は、ソ連で兵器開発を強いられている”ソコロフ”という兵器開発者の奪還。
ソコロフは、キューバ危機回避のためにソ連に連れ戻された兵器開発者でした。
しかし、送還されたソコロフは、監視されたソ連の施設で特殊な核兵器の開発を強いられていたことが判明します。
そのため、ソ連にかくまわれているソコロフを奪還することで、兵器開発を頓挫させることが、スネークに与えられた任務だでした。
スネークイーター作戦
今作の副題としても扱われている「スネークイーター作戦」
これがメインとなります。
「バーチャスミッション」と関連性があるので深くは語れませんが、任務内容は「THE BOSS(ザ・ボス)の抹殺」がメインとなります。
ザ・ボスとは、当時名を轟かせた伝説の兵士で「特殊部隊の母」という異名で呼ばれていました。
「母」という言葉からわかるように、ザ・ボスとは”女性”なんです。
任務内容が「ザ・ボスの抹殺」ということもあり、ザ・ボス率いる”コブラ部隊”とも戦いを余儀なくされることとなります。
遅くなりましたが、ここで今作の主人公を紹介します。
主人公の名は「ネイキッド・スネーク」
本名は「ジョン」
そして、
ザ・ボスの最後の弟子でもあります。
運命なのか
神の悪戯か
戦場という特殊な状況下で、2人の師弟は”敵”として出会うこととなります。
以上のように、1つの作品で2つのストーリーを体験することになりますが、そこまで複雑ではありません。
むしろ、ザ・ボス VS ネイキッドスネークという構図がはっきりしているため結構分かりやすいと思います。
ただ、この構図を構成する要素が複雑に絡み合っているのも事実。
特に、作中で登場するオセロットは、敵なのか味方なのかは最後の最後まではっきりしません。
小島監督の作品の特徴ですが、
非常に緻密に張り巡らされた”伏線”が至るところに散らばっている。
⇩
この伏線はエンディングの最後の最後に回収されるが、新たな”伏線”が発生する
こういう特徴があります。
進化した「ステルスアクション」
『メタルギアソリッド3』のゲームシステムですが、これまでのステルスアクションから、さらに進化を遂げています。
今作では、カムフラージュ率なるものも搭載されました。
装備する服やフェイスペイントによって、敵に見つかる確率を下げる事が出来るというシステム。
これが、ステルスアクションを更なるステージへと押し上げました。
また、今作からCQC(Close Quarters Combat)という戦場格闘術も取り入れられ、接近戦のバトルも出来るようになりました。
足りない物は”現地調達”
『メタルギアソリッド3』は、”単独潜入ミッション“なので、武器や弾薬・食糧に至るまで、全て”現地調達“となります。
戦場の舞台がジャングルということもあり、この現地調達スタイルは面倒かとおもいきや、思った以上に結構楽しいです。
蛙や蛇を食糧とする事も多く、サバイバル感がでてます。
たまに、カロリーメイトを手に入れると、何故か嬉しくなったりしますw
ボス戦が楽しい!
長く続く『メタルギア』シリーズですが、実はボス戦自体はそこまで多くありません。
しかし、今作では珍しく多くのボス戦が用意されてます。
しかも、対人ボス戦が多いです。
このボス戦が楽しいんですよね!
特に、ザ・ボス率いる「コブラ部隊」とのボス戦は印象に残ってます。
いちいち”クセ”があるんですよ。
やられ際の断末魔なんかは、今でも耳に残ってます。
実際にボスと戦いながら、そのボスの過去について語られるシーンもあるのですが、これが”深み“を出すんですよね。
なので、「今対峙しているボスは、本当は戦うべき相手ではないのでは?」なんて考えさせられる事もあります。
始まりの物語だからこそ、プレイしてほしい
繰り返しにはなりますが、『メタルギアソリッド3』は、『メタルギア』シリーズの始まりの物語です。
そのため、物語に過去が無い分、展開されるストーリーはある程度わかりやすくなっていると思います。
何より名作ですし、最後の戦いは「これ以上戦いたくない!」と思うほど心震えます。
ハードはPS2と古いですが、今はPS3・PSVITAで『メタルギアソリッド2・3 HDエディション』も発売されています。
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