今回は『DEATH STRANDING』のレビュー記事になります。
はじめに
このゲームは、好みが非常に分かれます。
下記に当てはまる人にはまず向かないと思います。
- バトルメインのRPGを求めている人
- サクサク進めたい人
- ゲームにあまりまとまった時間を割けない人
逆に、下記に当てはまる人はハマると思います。
- コツコツした作業が好き
- ストーリーや世界観を重視したい
- ある程度ゲームに時間が取れる人
- 小島監督大好き
それでは、レビューしていきます。
ストーリーに関する注意点
ストーリーについてネタバレはしませんが、1つ注意してほしいことがあります。
それは、
オープニングと終盤はゲームする時間を存分に確保してほしい
ということです。
オープニングは、ムービーを含めゲームの導入部分が非常に細かく描写されています。
出来れば、ゲームする時間を2時間は取っておくことをオススメします。
また、終盤は本当にやめられなくなります。
やめることはできるんですが止まらないんです。
それまで細かく散らばっていた物語のピースが、一気に集約していきます。
めちゃくちゃ感動しますし、号泣します。
出来れば、終盤をプレイする際はゲームする時間を3時間位は取っておくことをオススメします。
すべてが”配達”という行為に集約されている
この作品は
すべてが”配達”という行為に集約
されています。
では、いったいどういうことかというのを1つずつ説明します。
「お使いゲー」との大きな違い
まず、「お使いゲー」と根本的に違うことがあります。
「お使いゲー」は、メインクエストを達成する過程で生じるサブクエストの位置付けなのが一般的です。
RPGの場合、「ボスを倒す」という1つの目的がありますよね。
その道中で、必要な素材等を探すために「〇〇の村に行ってこれを集めてきて」という感じ。
- ストーリーの進行に必要な要素が”バトル”
- ストーリーを補完するためのサブクエストが”お使い”
これが一般的なつくりです。
『DEATH STRANDING』の場合、「世界を繋ぐ」ということが使命なのでメインミッションが”配達”になります。
- ストーリーの進行に必要な要素が”配達”
- ストーリーを補完するためのサブクエストも”配達”
すべてが”配達”に集約されます。
非常に緻密に作られたゲームシステム
この様に、このゲームは”配達”メインなので配達にかかわるゲームシステムが非常に緻密に作り上げられています。
配達物の重量・背負う場所・荷物の最適化など、もはやボスを倒しに行かんとばかりに準備をします。
配達物は「ピザから核物質」に至るまで何でもあります。
また、配達先に待ち受けるのは「広大に広がるむき出しの自然」です。
基本的に平坦な道は存在しません。
急な斜面では滑ったり、荷物を積みすぎると左右によろけたりして、荷物を落とすこともあります。
川の中を流されないように踏ん張りながら渡ったり、反り立つ崖には準備したはしごやロープで踏破を試みたりと、とにかくやれることがこれでもかといわんばかりに用意されています。
”バトル”はメインではない
とは言え、道中に誰とも出くわさないかといったらそうではなく、”ミュール”や”BT”といった敵が出ることがあります。
このような敵に遭遇した場合、戦闘をすると「荷物の破損」の危険性が大幅に増し、配達不能でゲームオーバーになるリスクが非常に大きくなります。
そのため、選択肢は必然的に「逃げる」になります。
ゆるく繋がるLIKEの存在
このゲームは、配達に同行する「仲間」は1人も存在しません。
孤独です。
しかし、孤独なのに「仲間」を感じ取ることができます。
ゲーム上では、未開の地であるのにも関わらず”はしご”やロープなどがすでに設置されていることがあります。
そう、他のプレイヤーが残した”痕跡”です。
その痕跡に対して「LIKE(いいね)」ができます。
自分で設置したものについても同様で、使用した相手から「LIKE」をもらえます。
このLIKEが自分の配達人レベルにも反映されます。
つまり、
限りなく孤独だが、自分のたどった道のりはどこかで役に立っている
というゆるい繋がりを感じ取ることができます。
これが秀逸で、”ゲーム上では、良いことしか共有されない”んです。
逆に「BAD」はありません。
BADは対立を生み、分断のきっかけにもなりますよね。
繋がることを目的としたゲームですので、それ(BAD)はゲームコンセプトとも相反します。
この作品が世にでたこと自体が凄い
小島監督が独立して手掛けた初の作品『DEATH STRANDING』
通常、1つのゲームを製作する人数は数百人規模と言われています。
『DEATH STRANDING』の製作にかかわった人数は100人ほどらしいです。
これを3年半で、これほどの作品を作ってしまうということに驚きを隠せないです。
これだけ凄まじいグラフィックで、広大なオープンワールドなのに、ほとんどフレームレートが落ちることもありません。
なにより、これほど複雑に絡み合ったストーリーを1つにまとめ上げたことが凄すぎます。
エンディングを見終わった時、しばらく動けないほど余韻に浸りました。
まとめ
なんやかんやでべた褒めのレビューですが、多少の不満もあります。
「プライベートルーム」の操作が若干面倒くさいという事くらいですかね。
おそらく、小島監督は次回作に取り組んでいると思います。
噂によれば「P.T」のようなホラーゲームを作りたがっているという話もあるみたいです。
以上、『DEATH STRANDING』のレビューでした。
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