今回は『Celeste(セレステ)』のレビューになります。
2D(サイドビュー)のドット絵で繰り広げられるアクションゲーム。
非常にシンプルな操作ではありますが、その難易度は”凶悪”でとても難しい作品です。
しかし、「1度やりだすと止まらない中毒性」も兼ね備えている作品で非常に満足度の高い作品でした。
目標は1つ。「山を登る」だけ。
『Celeste』の目的はただ1つ。
セレステ山の山頂を目指す。
それだけです。
非常にシンプルな目標だけなので、ストーリーはスカスカかと思いきや、けっこうキッチリした物語が存在し、しかもハートフルで心温まります。
「山頂を目指しながら自分と向き合う」という物語がこのゲームとマッチしているんですよね。
様々な苦難を乗り越えるというのは、アクションゲームの本質的な要素なので自然とマッチしていると感じました。
また、すべてが”ドット絵”で描かれているのも非常に趣深いです。
昔のゲームのような懐かしさを持たせており、逆に新鮮さを感じます。
これらのことを考えると、『Celeste』はアクションゲームの本質にこだわった作品なのかもしれません。
操作はシンプル。攻略は激ムズ。
『Celeste』の操作は非常にシンプルです。
移動(しゃがむ含)と2段ジャンプとしがみつきのみ。
「攻撃する」というアクションも存在しません。
一部の敵(ボス)に対しては「踏みつける」というアクションも存在しますが、あくまでサブ的な要素でしかありません。
操作がシンプルであるがゆえに、その攻略は困難を極めます。
”ステージ構成が非常に凝って”いて、どれも一筋縄に行かないものばかり。
非常に繊細な操作を要求されることが多いです。
また、HPの概念がなく1度のミスで死んでしまいます。
そのため、1つのステージで100回〜200回死ぬのはザラで、時に心が折れそうになることもしばしば。
しかし、それでもプレイする手は止まりません。
というのも、リトライが容易なんですよね。
ロード時間も存在せず、残機の概念もないので、自分で辞めたいと思わない限りずっとトライすることができるんです。
そのため「あと1回だけ…」が止まらないんですよ。
この癖になるような中毒性は『トライアルズフュージョン』に似ていると思いました。
ステージ数は少ないが、1ステージのボリュームが凄い!
『Celeste』のゲームボリュームですが、表(おもて)面だけでいえばステージ数はそこまでありません。
ただし、1ステージのボリュームはかなりあります。
1ステージのクリアにかかる時間は大体1時間弱。
「あれ?普通じゃない?」と思いますよね。
けど、このゲームはそもそも難易度が非常に高いゲーム。
それだけに、かなり密度の濃いステージ構成になっています。
おそらく1ステージクリアする頃には「やっとクリアできたぁ~~!」という”達成感”と”満足感”に満たされますので、非常にボリュームを感じれることは間違いないです。
また、クリアしたとしてもまだまだ冒険は終わりません。
ステージの途中で”B面のカセットテープ”を入手すると、さらに難易度の高い「裏面」へのチャレンジが可能になります。
そうです。
ゲームボリュームが一気に倍になるんですよ!
噂ではB面よりさらに難易度の高い”C面のカセットテープ”も存在するとか……。
難易度の高さも考えると、もはや底なしと思えるほどののゲームボリュームかもしれません。
なぜ、難しいのに止まらないのか?
先に紹介したように、1ステージをクリアするまで200回以上のリトライを要するほどの難易度を誇るゲームバランス。
普通、「もうやってられない!」と投げ出したくなるじゃないですか。
けどこのゲーム・・・
止まらないんです。
理由は2つ。
1つ目は、先に述べた「リトライの容易さ」があります。
ロード時間も無い、残機制限も無いので失敗したところからすぐにリトライ出来るんです。
もう1つは「ステージ構成が非常に絶妙なバランスで成り立っている」こと。
最初に”ステージ構成が非常に凝っている”と話しました。
これは「行けそうで、行けないかも」あるいは「行けなさそうだが、行けそうだ」というのが瞬時に判断できるつくりになっているんですよね。
複雑ではないんです。
凝っているんですよ。
深い思考は必要としないが、正確な操作を必要とするという事をすぐに認識させるのが素晴らしいと感じました。
あとはこれに「リトライの容易さ」も合わさるのでもう止まらないんですよね。
本当に”絶妙な作品”だと思います。
総評
ハードの性能が向上しグラフィックの美しさやオブジェクトの密度の濃さがフォーカスされがちですが、そこに逆行するかの如くシンプル且つアイデアで勝負する作品も多くなってきました。
『Celeste』もその作品の1つだと思います。
たしかに派手に売れることは無いかもしれません。
しかし、だからこそ輝く作品というのもあります。
「ちょっと気になるな」と思ったら、ちょっと手を伸ばして遊んでみてください。
多分、ハマると思いますよ。
コメント