今回はPS5版『バイオハザードヴィレッジ Zversion』のレビューになります。
前作『バイオハザード7』で原点回帰し、大きく舵を変えた『バイオハザード』がさらなるパワーアップを遂げて登場しました。
アクション性が増したという事もあり少しだけ不安はありましたが、ふたを開けてみると『バイオシリーズ』最高のゲームと呼べるほど素晴らしいゲームでした。
ストーリー概要
『バイオハザードヴィレッジ』は、前作『バイオハザード7』の続編にあたる物語です。
主人公はイーサン・ウィンターズ。
前作で舞台となったベイカー邸で散々な目に会いながら、辛くも生還を遂げたイーサンに再び悲劇が待ち受けます。
ベイカー邸の悲劇を乗り越え平穏な日々を送っていたが、なんと、いきなり、クリスによって妻を射殺され、赤ん坊のローズを拐われてしまう。同じくイーサンも拉致されるのだか、事故によりとある村へと行き着く。果たしてイーサンはローズを救うことが出来るのか…。
というのが大まかなストーリーです。
今回は『ヴィレッジ』と名がつく様に「とある村」が舞台となります。
村の中には城や工場・遺跡など、どこか異様さを感じさせます。
この村で様々な事態が待ち受けています。
アクションRPGのようなゲームシステム
さて、今作『バイオハザードヴィレッジ』ですが、前作『バイオハザード7』と違いアクションRPGの様なゲームシステムへと進化しています。
まずはエリアについてです。
惨劇の舞台は「村」を中心に起きていきますが、それと同時に、この村が「拠点」の様な役割を果たしていきます。
進む場所は城・洞窟・工場など徐々に広がっていきますが、必ず「村」を介していきます。
個人的には『デモンズソウル』の「楔の神殿」の様な役割を担っているように感じました。
そのため、これまでの『バイオハザードシリーズ』の様な1本道を進むのではなく、行けるエリアが段階的に開放される”セミオープンワールド”の様相を呈しています。
また、ショップによる成長・カスタマイズもRPG的だと感じました。
『バイオハザードヴィレッジ』には「Lei」という通貨が存在し、この通貨によってアイテムの購入や銃器のカスタマイズが可能となっています。
また、鳥や魚などの肉を入手し「料理してもらう」事でイーサンの成長を可能です。
「現地調達」という意味合いではこれまでの『バイオハザードシリーズ』と同様ですが、それにより出来ることが格段と増え拡張性の高さが伺えます。
ただ、そうなると…
バイオらしい”怖さ”が無くなったのではないか?
というのが気になるところですが、全くそんなことはありませんでした。
前作と質の違う恐怖感
結論を言うと
これまでと質の違う怖さに変貌・拡張した。
というのが今回の『バイオハザードヴィレッジ』の特徴だと感じました。
前作『バイオハザード7』で表現されたのは「心霊的な怖さ」と「狂気」だったと思ってます。
この2つは今作にも受け継がれていますが、さらに「切迫感」と「聴覚への刺激」が加わったと感じました。
まず「心霊的な怖さ」についてですが、これは”部分的に、集中的に、怖さを増して“ます。
その最たる例が”人形館”と呼ばれるベネヴィエント邸。
個人的にバイオハザード史上最も恐ろしいと感じました。
また、「狂気」については前作の「ベイカー邸」から「4貴族」に受け継がれ、かなりの”狂いっぷり”を発揮しています。
さらに、今作は「切迫感」がかなり凄いです。
今作ではゾンビではなく「ライカン」という人型のケモノが敵として登場しますが、俊敏さに加え”数の暴力”もあるので最初からパニック状態に陥ることもあります。
中にはボス級のライカンも普通に徘徊しているので、より緊張感も増し「相手にしてられない!」という切迫した状況が多いです。
そして、もっとも怖い(凄い)と思ったのが「音」。
これは桁外れにパワーアップしてます。
温度差によって「パキッ」と割れる木の音や、不意に何かが倒れたような音など自然音がふんだんに盛り込まれており、いちいちビビります。
BGMも不協和音の様な不気味さや、徐々に緊張感が増していく様子が音を通してわかるほど。
今回、パルス3Dワイヤレスヘッドセットで全編プレイしたのですが、とにかく臨場感が半端ではありませんでした。
PS5ならではの機能
では、PS5版の特徴を見ていきましょう。
大きな特徴は2つあります。
レイトレーシング
まずは「レイトレーシング」。
レイトレーシングとは、光の反射や屈折までもシュミレート出来る技術の一つで、フォトリアルなグラフィックを表現出来ます。
これは凄いですよ。
館内にあるシャンデリアの存在感や炎に揺らめく影など、とにかくリアルです。
特に、序盤に目にするドミニクス邸のシャンデリアは存在感抜群です。
大きさもそうですが、よく見ると1つ1つのオブジェクトが微妙に動いているんですよね。
圧巻の一言です。
他にも、館や洞窟にあるランプもさりげないですが、妙なリアルさを感じてしまうほどです。
おそらく、このレイトレーシングの表現を味わってもらうためだと思うのですが、要所となる場所は暗い場所が多い様に感じました。
アダプティブトリガー
次に、L1ボタンに負荷がかかるアダプティブトリガーです。
これは、装備する銃器によってその負荷が結構違いました。
最初に手に入れるハンドガンは負荷を感じませんが、ショットガンやスナイパーライフルはそれなりの負荷がかかります。
いわゆる「銃を構える」時にその負荷が発生します。
特に驚いたのがスナイパーライフル。
銃身の大きさが影響するのか、構えるのにかなりの押し込みを必要とします。
また、場所の広さも影響するのか、狭い場所では構えることすら出来ないほど(L1)ボタンがロックされます。
そのため、重量や扱いの難しさを覚えるほどの体感フィードバックが発生し、非常に面白い体験が出来ます。
Zversionの特徴
通常版と比べてゴア表現が強い『Zversion』。
やはり痛々しいです。
いわゆる部位欠損表現多めなんですが、これは敵に対してではなく、主人公イーサンに対しての表現が多いです。
ゲーム序盤から左手の指をかじられ欠損するシーンがありますが、ここから痛々しい。
さらには〇手を〇〇されたりするシーンなどもあるので、ゴア表現が苦手な人は通常版が良いでしょう。
難易度
最後に今作の難易度ですが、意外と難しいと思います。
弾薬等のアイテムが購入できたりするため弾が尽きることはほぼありませんが、先に話した”数の暴力”や”初見殺し”も多いので最初は結構やられます。
一人称視点という事もあり、ちょっとパニックになったら自分がどこに進んでいるのか分からなくなることもあるので、そういった点でも難しさを感じる事が多いです。
だた、クイックターン(⇩+〇)をうまく使うとよりスムーズにイーサンを操作できるのでこの操作は早めになれた方が良いです。
どうしても難しいと感じる場合には「難易度を下げてリスタート」もでき、救済措置もあるので自分のスキルに合わせてプレイが出来ます。
総評
実は、『バイオハザードヴィレッジ』を始める前は「ちょっと不安だな」と思っていました。
というのも、”アクション性が増した”という点がどうしても引っかかっていたんです。
「サバイバルホラー」ではなく、怖さを排除した「アクションゲーム」になるのではと。
個人的にそれは望んでいなかった。
恐怖の原点回帰を果たした『バイオハザード7』の様な恐怖を味わいたいと思っていました。
ところが、『バイオハザードヴィレッジ』はそれをあっさりと越えてしまった。
恐怖もある。切迫感もある。そして、なによりストーリーが素晴らしい。
クリア後に感じた事。
それは、これまでの『バイオハザードシリーズ』の中で最高のゲームだという事です。
是非、多くの人に手に取って遊んでほしいゲームです。
特に、PS5版はグラフィックやデュアルセンスの体感が凄いのでオススメです。
以上、『バイオハザードヴィレッジ』のレビューでした。
コメント