突然ですが、ゲームをしていて「これ…未来の予言みたい」と思った事ありませんか?
当時は気にもしてなかったけど、今にして思うとそのゲームと似通った世界に近づいてると感じてゾッとしちゃう様な…。
前置きが長くなりました。
今回紹介するのは『メタルギアソリッド2 サンズオブリバティー』
言わずと知れた小島秀夫監督の代表作です。
発売日は2001年。
今から約20年前のゲームになります。
このゲームのある部分について、
「今のネット社会を予言していたのでは?」と思える有名な場面が存在します。
今回はこの部分について少しお話していきます。
※今回はネタバレがあります。
説教大佐
前提として、このゲームが発売された2001年は、携帯電話がやっと普及し始めた時期でSNSもありません。
無論、ネットの普及率も3割という時代で、今の様に気軽に使われていたのもではありません。
物語は終盤の事。
主人公の雷電は、ボス戦を前に相手と対峙している状態。
そこにサポート役である大佐と雷電の恋人であるローズから無線が入る。
実はこの2人、実体は無くAIである事が直前で判明してます(ローズは途中からAIに入れ替わっている)。
大佐とローズは雷電に無線で語りかけるのですが、この無線のやり取り…。
いわゆる「説教大佐」と呼ばれるもので、知る人ぞ知るやり取りとなってます。
以下、無線のやり取りの要約になります。
大佐は言う。
「今世紀初頭、人類はヒトゲノムの解析により、遺伝子操作による生命のデジタル化に成功した。
しかし、遺伝子に組み込まれていないものがある。
人の記憶や思想、文化や歴史だ。
これらの情報は選択・加工という”淘汰”を経て後世に継承され伝えられて来た。
しかし、今のデジタル社会ではあらゆる情報はろ過されず保存されていく。
誰が言ったか分からないゴミのような噂
間違った解釈
他人の中傷…。
しかも、これらは永久に劣化することは無い。
そして、それは”淘汰”される事なく、そのまま後世に伝えられる。
これは、進化を止めることだ」
と。
さらに続く。
「世界のデジタル化は、人の”弱さ”を助長し、それぞれに都合の良い真実を加速させる。
社会に溢れる”真実の山”を見渡すといい。
高価な兵器が人道的に人を殺し、犯罪者の人権は被害者よりも丁重に扱われ、希少動物保護の寄付金が集まる傍らで貧困に苦しむ人達がいる。
誰もがこう言われて育つ。
『他人には優しくしよう』
『でも、競争相手は叩きのめせ』
君たちが”自由”を行使した結果がこれだ。
衝突を恐れるゆえにそれぞれのコミュニティに引きこもり、それぞれに都合の良い真実のみが蓄積され、ぬるま湯の中で互いを甘やかしながら好みの真実を垂れ流す。
嚙み合わないのにぶつからない真実の数々。
誰も否定されないがゆえに誰も正しくない。
ここでは”淘汰”も起こらない。世界は真実で飽和する。
それが世界を終わらせるのだ。
緩やかに……。」
という感じです。
要約はしていますが、ゲーム内ではさらに深く切り込んでいます。
今の世界と比較して・・・
いかがでしょうか。
今の世界と比較しても、あまり遜色のないことが起きていると思いますよね。
たしかに、ネットを介して情報の発信・受信はたやすくなったものの、その情報はとんでもない量に達しています。
もはや真実はすでに飽和し、「フェイクニュース」「ディープフェイク」という言葉が飛び交う時代。
溢れ出る情報を自分が正しいと思ったものだけ選択しているのかも知れませんが、結局それは大佐が言う「それぞれに都合のいい真実を選択しているだけ」なのかもしれません。
もちろん、それは私にも当てはまります。
これがネットやSNSが普及する前にゲーム内で描かれていた内容だと思うとちょっと凄いですよね。
『メタルギアソリッド2 サンズオブリバティー』は、「未来で起こりうるであろうことが生々しく述べられている」というのが非常に興味深いポイントです。
ただ、この「説教大佐」のやり取りと大きく違うのは、世界は終わっていないという事。
否。
ひょっとしたら……
終わろうとしているのかも知れません……。
ちょっと都市伝説みたいな終わり方になりました。
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