今回は2021年7月29日に発売された『Two Point Hospital Jumbo Edition(ツーポイントホスピタル:ジャンボエディション)』のレビューになります。
『ツーポイントホスピタル』はSwitch版とPS4版がありますが、今回はSwitch版でのレビューとなります(内容に変わりはありません)。
今作『ツーポイントホスピタル』のレビューですが、SEGA様より商品提供がありレビューに至っています。
「病院」を運営するシュミレーションゲーム
まずは『ツーポイントホスピタル』がどういうゲームなのか簡単に紹介していきます。
『ツーポイントホスピタル』のゲームジャンルはシュミレーションゲームになります。
シュミレーションゲームといえば『シムシティ』や『シティーズスカイライン』のような都市開発型のゲームを思い浮かべますよね。
『ツーポイントホスピタル』 はこのような都市開発型のシュミレーションではありません。
「ホスピタル=病院」ということで病院を運営するシュミレーションゲームになります。
また、病院運営なので「病気にかかった患者を治療する」ことが利益に直結します。
その「病気」が非常にユニーク。
例えば…
- 頭が電球になった「白熱頭症」
- 一方的に喋りまくる病気の「トーク症」
- 真っ暗な部屋でひたすら鍋を作ってしまう「病みなべ症」
- 自分をロックスターと勘違いした「ロックでなし症」
など様々存在します。
一方、運営する病院ですが、最初は何もありません。
まっさらのフロアのみです。
フロアのみを渡された状態で、そのフロアに受付や診察室などを配置し、医師や看護師などを雇って運営していくことになります。
診察室などの”部屋”はマス単位で広さを調整できるので、細かいカスタマイズが可能。
また、病院内に設置できるオブジェクトの数も多数あり、「自分色の病院」を作ることが可能です。
ソニックのフロアマットや銅像もあったりしますよ。
雇う医師や看護師などにも特性(性格)があります。
さぼり癖がある人はよく仕事を抜け出したり、接客態度が悪い人は患者の満足度が低くなったりと、雇う人が多くなるにつれて様々な要素が複雑に絡み合ってきます。
最終的にはその病院で3つ星を取ることが目標になるのですが、運営する病院の数もどんどん増えていくので、その地域の特性に合わせながら病院を運営していく楽しさがふんだんに盛り込まれています。
シミュレーションゲームとしてはかなり親切
シュミレーションゲームと聞いて「難しそうだ…」と思う人は多いと思います。
ゲームジャンル自体もかなりニッチなジャンルですからね。
また、複雑多岐に渡るゲームシステム自体を理解するもの結構一苦労だったりします。
ところが、この『ツーポイントホスピタル』というゲーム。
かなり親切なシュミレーションゲームに仕上がっています。
というのも、病院運営のナビゲートがしっかりしているんですよ。
例えば
- 診察室が混雑しているから診察室を増やしたほうがいい。
- この治療を行うにはこの設備が必要です。
- 管理員に仕事がないので人数を減らしてみてはどうでしょうか?
など、病院運営のためのナビゲートが細かく出ます。
そのため、シュミレーションゲームにありがちな「何をしていいのかわからない!」ということに陥ることがまずありません。
これは非常に助かります!
複数の病院を経営するので過去の経験を活かしやすい
また、『ツーポイントホスピタル』は病院単位の運営ですので、過去に失敗したことを別の病院で活かしやすいという特性もあります。
『シムシティ』や『シティーズスカイライン』は街単位の運営なので、一度やりだすと引くに引き返せない状況に陥りがちですが、『ツーポイントホスピタル』はその心配がありません。
「あの病院ではここで失敗したな」という教訓を、別の病院で挽回出来る大きなメリットがあります。
さらに便利機能が2つ。
1つはコピー機能。
一度設置した部屋(診察室など)は部屋ごとコピーする事が出来ます。
そのため、どんどん増える患者を捌(さば)くために部屋をガンガン作りたい場合に非常に役立ちます。
もう1つは、一度設置した部屋は”部屋ごと持ち上げて移動が出来る”ということ。
何もない状態から無作為に部屋を作っていくと、あとで「この部屋を別の区画に移動させてもっと効率よくしたいな」という欲求が出てきます。
こんな時、その部屋ごと持ち上げて移動ができちゃうという機能があるんです。
これ、かなり重宝しますよ!
【解説】病院の経営方法
では、実際にどの様に病院を運営していくのか簡単に説明していきます。
①「受付」を設置する
まずは、病気になった患者を受け付ける「受付」を設置します。
これが無いと患者を受け入れることが出来ません(救急搬送除く)。
②「総合診察室」を設置する
次に患者を診察する「総合診察室」を設置します。
ここで患者を診察し、次にどういう処置が必要なのかを判断します。
③「薬局」「病棟」を設置する
「総合診察室」で診断を受けた患者は、「薬を処方して退院」か「入院して退院」かのどちらかになります。
なので…
- 薬を処方⇒薬局
- 入院⇒病棟
この2つを設置しておきます。
これで、患者を受け入れ退院までさせる”箱”は準備できました。
④スタッフを「雇用」する
では実際にスタッフを雇用していきます。
スタッフには業種によって4種類に分かれ、それぞれの役割があります。
これまで作った「受付」「総合診察室」「薬局」「病棟」で言えば…
- 受付:事務員
- 総合診察室:医師
- 薬局・病棟:看護師
が配置できます。
また、院内を掃除したり医療機器の修理やアップグレードを行うことが出来る「管理員」も存在します。
⑤「スタッフルーム」「トイレ」を設置する
病院を運営し始めた初期の頃はあまり患者がやってきません。
そのため最初は①~④の流れだけで事足ります。
しかし、しばらくするとスタッフは疲れ始めます。
ここでスタッフの休憩所となる「スタッフルーム」を設置します。
また、スタッフが疲れ始める頃合いで患者・スタッフ共にトイレに行きたがると思います。
そこで「トイレ」を設置します。
ここまでくれば、本格的に病院運営が可能となり少しづつお金を稼げるようになってきます。
⑥診察精度を上げる
医師のスキルにもよりますが、最初は「診断精度が低い」というナビゲートがよく出てきます。
診断精度が低いと患者を完治できずに帰すことになり、病院の評判にも影響します。
これを補うために「一般検査室」や「循環器診断室」を設置します。
これを設置することで診断精度が格段に上がり始めます。
⑦患者の渋滞が発生しだす
ここまで来ると、病院内は患者であふれ始めます。
そうすると何が起こるか?
”渋滞”が発生します。
おそらく最初は「総合診察室」が渋滞を始めるでしょう。
なので、「総合診察室」の数を増やして新たに医師を雇います。
この”渋滞”は色んなところに派生していきます。
「病棟」や「薬局」もそうですが、特に「一般検査室」や「循環器診断室」は渋滞が起こりやすいです。
⑧患者のストレス・暇を潰すものを設置する
患者の渋滞が発生すると、待たされている患者はストレスが溜まっていきます。
中には待ちきれずに怒って帰る患者も現れます。
また、患者には空腹やのどの渇きのステータスがあり、これもストレスを与える一因になります。
なので、渋滞が起きやすい場所(総合診察室や一般検査室など)には以下のものを設置するのがオススメです。
- 椅子
- 雑誌
- 自動販売機(ドリンク・フード)※ゴミ箱も忘れずに
さすがに患者を立ちっぱなしで待たせるわけにはいきませんので「椅子」を用意します。
また、「雑誌」を設置し患者の暇を潰すものを与えます。
さらに、空腹やのどの渇きを満たす「自動販売機」を設置します。
あ、「ゴミ箱」も忘れずに。
自動販売機は治療以外でお金を稼ぐ手段でもあるので有効的に設置しましょう。
⑨救急搬送をさばく
しばらくすると患者が一気に押し寄せる「救急搬送」が発生します。
救急搬送で送られてくる患者はだいたい6~7人。
送られた患者は、受付を介さずに指定の施設(病棟など)に一気に押し寄せるため一瞬で渋滞が発生します。
幸い『ツーポイントホスピタル』は時間を止めて施設を作ったりすることが出来るので、「これじゃ救急搬送の患者をさばけない!」と思ったら時間を止めて各施設を一気に拡充しましょう。
運営規模にもよりますが、同じ施設が3~4つあれば救急搬送にも対応しやすいです。
⑩タスクをこなし星を獲得する
あとは画面右上にある「タスク」をこなしていけば星を獲得できます。
①~⑨までの運営が出来れば1つ星は獲得しているはずです。
「タスク」は徐々に難しくなっていきますが、2つ星までは案外取りやすいです。
オススメする病院の経営方法
ここまでは、基本的な病院の運営方法をご案内していきました。
ここからは、私の経験で得たさらにワンランク上の運営方法を紹介していきます。
病棟は広くとる
診察を受けた患者の一定数が通う「病棟」。
この病棟は広めに取っておくことをオススメします。
というのも、病棟は複数の患者を預かる事ができる数少ない施設のうちの一つ。
病棟を広く取り、ベッドを多く設置することで多くの患者を一手に引き受けることが出来ます。
こうすることで病棟待ちの患者の渋滞をなくすくことが出来、待ちによる患者のストレスを減らすことが出来ます。
部屋に額縁(写真)を飾りまくる
各部屋には、その魅力となる「ランク」というものが存在し、その部屋に多くのオブジェクトを設置することでその部屋のランクが上がります。
ランクが上がるとその病院の魅力も上がり、より多くの利益に繋がりやすいという要素があります。
そのオブジェクトですが、設置する際に場所を必要とします。
その中でも「額縁」は壁面に設置することができるため、最小限のスペースで数多く設置できます。
特に、設置面積の小さい「ジャスミン・オデッセイの写真」というオブジェクトが非常に有効。
部屋の中は額縁だらけになるため見栄えは悪いですが、部屋ランクはあっという間に上げることができるので非常にオススメです。
アーケードゲームを設置してお金を稼げ!
実は、病院では診察以外にお金を儲ける方法があります。
特に、最初からアンロックされている「自動販売機(ドリンク・フード)」は私も含め多くの人が利用することになると思います。
しかし、それよりももっと効率のいい稼ぎ方があります。
それは、「アーケードゲーム」を設置することです。
患者は、診察などで待たされると暇を持て余し始めます。
この場合、病院内に「雑誌」などを置いて暇をつぶしてもらうのですが、それでは利益に繋がりません。
しかし、ここにアーケードゲームを設置すればゲームにお金を費やしながら暇をつぶしてくれます。
病院は規模が大きくなるにつれ、訪れる患者の数も大幅に増え始めます。
その分、患者の”待ち”の状態も発生しやすくなるので、そこでお金を儲けてしまおうという仕組みです。
3つ星目指すより2つ星で次へ
「ツーポイントホスピタル」では複数の病院を運営していく事になります。
一つの病院で目指していく目標は
3つ星を取ること
になります。
ただ、3つ星を取らないと次の病院を運営出来ない訳ではありません。
たいていは、1つ星を取った時点で次の病院がアンロックされます。
1つ星は運営初期の段階で取得しやすいですが、利益を確実に伸ばせるようになるのは2つ星以降です。
また、3つ星に到達するにはかなりの時間を要しますので途中でツラくなってくると思います。
そのため、ある程度利益を見込めるようになる2つ星まで病院を運営して次の病院を運営していくのが効率が良いです。
気になった点
『ツーポイントホスピタル』はSwitch版とPS4版がありますが、実は今回あえてSwitch版を選びました。
シュミレーションゲームて一人一人に細かいパラメータが設定されているので演算処理がかなり膨大なんですよ。
『シティーズスカイライン』も同様で、都市が発展していくとPS4版でも処理が追い付かずカクつくことがあるんですよね。
シュミレーションゲームをSwitchでプレイしたことがなかったので、実際どうなるんだろうを思ってプレイしてみました。
結果として、思っていたほどカクツキが起こることはなかったです。
カクついたとしても1~2秒ですぐに元に戻るのでハッキリ言ってストレスはありませんでした。
ただ、ロードは長いです。
今いる病院から別の病院に移るのロードは結構長く感じました。
ここら辺の問題は、PS4版の方がよりストレスなくプレイできるかもしれません。
けど、正直Switchでここまで動くとは思ってなかったので結構驚きでした。
総評
久しぶりのシュミレーションゲームということもあってか相当ハマりました。
『シティーズスカイライン』の時もそうでしたが、シュミレーションゲームて一度やりだすと止まらないんですよね。
「もっとこうしたい!ああしたい!」という欲求がとめどなく溢れてくるんです。
それは『ツーポイントホスピタル』も同様でした。
気づいたら7時間くらいぶっ続けでやっていて、それでも足りないと思うことが多かったですから…。
あと、シュミレーションゲームには珍しく「ナビゲーションがしっかりしている」ので初心者でも遊びやすいと感じました。
「3つ星を取る」という目標もあるので、思った以上に目的を持って遊べていいと思いますよ。
以上、『ツーポイントホスピタル』のレビューでした。
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