今回は『ニーアレプリカントver.1.22474487139…(以下、ニーアレプリカントver.1.22~)』のレビューになります。
最初にお伝えしますが、もしこのゲームを買おうか悩んでいる人は絶対買って損はしないと思います。
私も『ニーア』シリーズは初めてですが、メチャクチャのめり込みました。
ということで、このレビューでは購入を検討している人向けに、ある程度簡単にまとめています。
『ニーアレプリカント』の”バージョンアップ”作品
オリジナルの『ニーアレプリカント』が発売されたのは2010年。
今作『ニーアレプリカントver.1.22~』はオリジナルの”バージョンアップ”作品という位置づけになっています。
リマスターでもリメイクでもなく”バージョンアップ”という位置づけにしたのが良いですよね。
以下、主なバージョンアップと追加内容です。
- グラフィックの刷新
- 60fps対応
- 村人などのNPCに至るところまですべてフルボイス化
- BGMのリアレンジと新規収録
- オートバトル追加
- 有料DLCだった「15Nightmares」追加
- 短編小説版「人魚姫」のエピソードをゲーム化して追加
- エンディング追加
という感じです。
独特でクセのあるゲームシステム
引用:ファミ通.com。横スクロールもあればサウンドノベル形式もある。
この『ニーアレプリカント』…いや、『ニーア』シリーズのゲームシステムは非常に独特な作品だと思います。
基本的には3人称視点の3Dアクションなのですが、場所によっては2Dアクションになったり、見下ろし型のトップビューアクションになったり、果てはテキストのみのサウンドノベル形式になるものまであります。
そのため、最初は非常にクセの強い作品だと感じました。
2D・3D・トップビューと視点が統一されないので妙な違和感を覚えるかもしれません。
ただ、どの視点になってもバトルモーションは変わらないので、少しプレイするとすぐに慣れます。
…とは言え、これほどクセのあるゲームシステムなのでふつうは”さじ”を投げそうなものですが、そんな感情は全く起こりません。
むしろ、プレイする手が止まらなくなるほど没頭します。
その原因は、「ストーリー」にあります。
超一級のストーリーがプレイする手を離さない
先にお伝えしたように、私はこれまで『ニーア』シリーズに触れたことが無かったのですが
「なぜ、自分は今までこのゲームをプレイしなかったのか?」
と後悔するほど感動するストーリーでした。
展開、内容、密度、どれをとっても超一級です。
展開
まず展開。
『ニーアレプリカントver.1.22~』ですが、
- プロローグ
- 少年期編
- 青年期編
この3つで構成されています。
メインキャラクターは2人。主人公とその妹のヨナの物語が主軸になりますが、主に主人公の成長過程とともにストーリーが進んでいくという展開です。
少年期⇒青年期と年月が経つのが分かりますが、プロローグ⇒少年期においては1000年以上の年月の開きがあります。
もう、ここから分からない。
なぜ、いきなり1000年以上の時が経ったのか?
プロローグで出てきた兄妹は何だったのか?同一人物なのか?
最初から「謎」に溢れてます。
内容
次にストーリーの内容です。
プロローグは別として、以下少年期編・青年期編の大まかな内容です。
- 少年期編
-
世界は「黒文病」と呼ばれる不治の病と「マモノ」の侵攻により荒廃の一途をたどっていた。それは主人公とヨナも例外ではなかった。黒文病を発症したヨナが失踪。捜索の過程で言葉を話す「白の書」という本に出会う。その後、女戦士の「カイネ」と目隠しをした少年「エミール」と出会い行動を共にするが、最終的にヨナは「魔王」と呼ばれる存在にさらわれてしまう。
- 青年期編
-
変わらずヨナを探していた主人公は、魔王のもとへ向かう”鍵”の存在を知らされる。鍵の破片は各地に点在しそれぞれの鍵はマモノが持っていると。主人公は「マモノを殺し続ければヨナにたどり着く」と確信し奔走する。
要約した内容だけ見ると”勧善懲悪”なゲームに見えますが、純粋だった主人公はヨナを探す過程で「マモノはすべて殺す」という復讐や憎しみの様な思考にたどり着きます。
映し出されるのは「人間臭さ」で、それは主人公だけに留まりません。
旅をともにする「カイネ」や「エミール」・「白の書」など、それぞれのキャラクターに対してバックボーンがしっかりと存在し描かれています。
そのため、「このキャラのことを深く知りたい」という欲求が強くなり深く没頭することとなります。
密度
そして密度(ボリューム)です。
このゲームは「周回プレイを前提」としています。
というのも、2周目以降は大筋は変わらないものの描かれるストーリーが全く違うからです。
周回数は5周でA~Eエンドまでが用意されています。
特に2周目は驚くほど内容が違い、1周目とは物語の受け取り方が180度変わります。
このゲームのクリアにかかる時間は1周大体20時間くらい。
2周目以降(一部除く)は途中から始まるので約半分ほど。
最終的に、1つの作品で描かれるストーリーボリュームは相当なものです。
善とは?悪とは?正義とは?
このように、周回を繰り返すごとにより深くこの物語を知ることになるのですが、そのたびにある感情が沸きあがると思います。
それは
善とは?悪とは?正義とは?
という感情です。
この感情は周回を重ねるごとに強くなっていきます。
例えば、ある村の話。
マモノに襲われ花嫁を失った村の王はその復讐の為に魔物を討伐するが、もとはその村によるマモノへの迫害がきっかけになっている。
マモノは言う。
「我々が何をしたというのだ。手を出したのはお前たちの方ではないか。」
と。
大義名分はどちらにもある。
じゃあ、正義とは何なのか?
双方の感情を余す事無く見せつけられることが多く、プレイする手が一瞬止まりそうになる事があります。
このように、善と悪の境界線が徐々に曖昧になっていく感情に陥ります。
神がかった音楽(BGM)
そして、この世界により深く浸りたくなるもう1つの要因に音楽(BGM)があります。
この音楽がズバ抜けて良いです。
荒廃した世界観にピッタリなのはもちろんなんですが、”優しい”んですよ。
どの音楽もどこか”優しさ”を感じるんですよね。
ずっと聞いていられるんです。
とあるボス戦では、その音楽を聴いていたいがために敢えて戦闘を引き延ばしたりしていました。
言葉足らずでうまく表現できないんですが、とにかく良いです。
難易度は低く遊びやすい
最後に難易度(戦闘)についてです。
はっきり言って難しくありません。むしろ、簡単だと思います。
通常攻撃に加え「白の書」による魔法攻撃も重ねられるので、厄介な敵は遠距離で魔法ガン攻めで弱らせればOK。
また、青年期編で装備可能となる「槍」の使い勝手が非常に良いのでこれだけで勝てます。
とは言え、少しクセはあります。
無数の弾で攻撃される「イクラ弾幕」があったり、視点の変更によって空間の把握が困難に感じることもあります。
アクションが苦手で難しいと感じる場合は、難易度をEASYにしてオートバトルを組み合わせれば◎です。
総評
最初にお伝えしたように、私はこのゲームをプレイしたあと「なぜ、今まで『ニーア』シリーズに手を付けなかったんだ?」と思うほど感動しました。
たしかにクセはあります。
しかし、それを打ち消し、尚も魅了されるほど深い世界観・物語が『ニーアレプリカントver.1.22~』にはあります。
優しい音楽と深い物語に浸かりたい方に強烈にオススメする作品です。
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