今回はPS5でローンチタイトルとして発売された『Demon’s Souls(デモンズソウル)』のレビューになります。
PS5版として最適化された『デモンズソウル』。
オリジナル版の魅力をそのままに、ハプティックフィードバックによって”新しい体感”を得てパワーアップしています。
”リメイク”というより”PS5リマスター”と思ってOK
PS5版の『デモンズソウル』は”リメイク”というより”PS5リマスター”だと感じました。
そもそも今回の開発は「フロムソフトウェア」ではなく「PlayStation Studios」と「Bluepoint Games」が手掛けています。
たしかに、キャラクターモーションやビジュアル・サウンド面は強烈な進化を遂げていますが『デモンズソウル』を構成するエリア構成・敵の配置・ストーリーは全く変わっていません。
SIEワールドワイドスタジオ・クリエティブディレクターのギャビン・ムーア氏も「オリジナル版を手掛けたクリエイターのビジョンを損ねることなく~」と語っている(引用:ファミ通.com)ので、「『デモンズソウル』をリスペクトし、それをオマージュしてPS5版として再構築した」というところです。
私は今回のプレイが『デモンズソウル』初見だったので十分新鮮でしたが、既プレイの人からするとひょっとしたら一捻りほしいところだったかもしれません。
しかし、それでもなお、強烈な進化を遂げたところがいくつかあります。
PS5版『デモンズソウル』のココが凄い!
強烈に進化したグラフィック
まずはグラフィックです。
グラフィックは惚れ惚れするほど綺麗です。
オリジナル版をそのままに、より高密度・高精細に描かれたグラフィックで、拠点となる楔の神殿に降り立った時は本当に驚きました。
「これがレイトレーシングの恩恵かぁ……」なんて最初は思っていましたが、実は『デモンズソウル』はレイトレーシングは採用していないという事を知って「レイトレ無しでこの表現力???」とさらに驚きました。
ただ、1つ難点があります。
PS5という強烈なハードで再現されるグラフィックは、特に”明”と”暗”がしっかりしています。
暗い場所を進むことが多い『デモンズソウル』では「その暗さ故に周りが見えない」という難点があります。
そのため、視界に広がるエリアの全体像が掴みにくく、ひょっとしたらストレスを感じる人もいるかもしれません。
逆に言えば、闇に潜む敵や足場の有無を感じ取れない緊張感はよりスリリングになっているといっても良いです。
パリィ⇒致命攻撃モーションがクセになる!
プレイヤーモーションを再構築したというPS5の『デモンズソウル』ですが、私が病みつきになったのが”パリィからの致命攻撃”です。
これ、凄いですよ!!
何が凄いかというと、デュアルセンスコントローラーの表現力なんです。
まず、パリィを決めた瞬間コントローラーに細かい振動が走ります。
その後の致命攻撃で、コントローラーから発せられる音と更なる振動が立て続けに来ます。
うまく言えないんですが、コントローラーを介して自分が実際に攻撃をしているかのような生々しい感覚が伝わるんですよね。
これがクセになるんですよ!
ある種、快感とも呼べるほどの強烈な感覚が手の中に瞬時にフィードバックされるのは、『デモンズソウル』が初めてでした。
ロード時間の”超”短縮
ロード時間の短縮の恩恵も素晴らしいです。
特にこういった”超高難易度アクション”は幾度となくやられるので、やられてもすぐに再開できるというのは本当に素晴らしい恩恵を受けています。
エリアの移動も2~3秒くらいでできるので、煩わしさが全くありません。
おそらくオリジナル版は何十秒もロード時間があったと思うんですが、これがほとんど無いですからね。
オリジナル版をプレイしていた人は、その違いに感動する事間違いないと思います。
ハプティックフィードバックの表現力が凄まじい!
”パリィからの致命攻撃”によるハプティックフィードバックの素晴らしさは先に述べましたが、その他にも驚かされることはあります。
盾による防御で敵の攻撃によりスタミナをすべて失った場合体がのけぞるんですが、その際「ゴン!」と重く鈍い感覚が手の中に走ります。
重さと鈍さの感覚が手を介して伝わるて……w
これも驚きです。
また、バフ(強化)・デバフ(弱体化)効果もコントローラーを介して微細な振動が走っているので、効果が継続しているのか切れたのかも感覚で分かるんですよね。
これはボス戦で非常に役立ちますよ!
ハプティックフィードバックを最大限に生かしているのは『アストロプレイルーム』だと思うんですが、『デモンズソウル』は『デモンズソウル』なりの重厚感あるフィードバックがあるので両者の違いをしっかりと楽しめます。
難易度が高いので万人にはオススメできない
新しい体験が色々詰め込まれた『デモンズソウル』ですが、個人的には万人にはオススメできません。
難易度がかなり高く、苛烈な闘いが続くからです。
『デモンズソウル』の特徴として、「非常に狭く、足場の悪い場所で、強烈な雑魚(?)敵との闘いを強いられる」というのがあります。
強い敵がいるのでやり過ごしたいが、道が狭く戦う以外に選択肢がない
やっぱ逃げようと思ったら足を踏み外して奈落の底へ(YOU DIED)
みたいな展開が多いんですよね。
さらに、『ダークソウル』や『ブラッドボーン』と違いリスポーン(復帰)ポイントが非常に少ないです。
そのため、「ボス戦に向かう道中が一番キツイ」という仕様なんですよね。
ショートカットもありますが、それも数少ないです。
なので、「興味があるけど高難易度アクションはほとんどやったことが無い」という人にはかなり敷居が高い作品です。
個人的には、やや難易度が低い『ダークソウル1』か、バランスの良い『ダークソウル3』あたりに少し触れておくのが良いかなと感じます。
まとめ
敷居の高さはあるものの、グラフィックやハプティックフィードバックの感覚に感動することは間違いない『デモンズソウル』。
PS5のローンチタイトルとして発売されたもののハード自体の普及が追い付かず、販売本数に寄与されていないことに少し残念さを感じています。
ただ、私も含め多くの人を魅了する作品であることは間違いないので、PS5の普及とともにその売り上げを増やしていってほしいと切に願っています。
『ダークソウル3』をPS5版でリマスターして、敵配置もガラリと変えるというのも面白そうですね。
……ちょっと話が逸れました。
以上『デモンズソウル』のレビューでした。
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