今回は「SOUNDPEATS Space」というワイヤレスヘッドホンのレビューになります。
正直言って、コスパの良さにかなり驚いたヘッドホンでした。
商品スペック
まずは簡単に商品スペックからご紹介しましょう。
以下、スペック表になります。
メーカー価格 | 6,980円(※1) |
本体寸法(L*W*H) | 165*187*85mm |
重量 | 264g |
ドライバー | 40mmダイナミックドライバー |
ノイズキャンセリング機能 | あり(最大35㏈) |
連続再生可能時間 | 最大123時間 |
充電時間 | 約2時間 |
急速充電 | 対応(10分の充電で12時間再生) |
ワイヤレス充電 | 不可 |
Bluetooth | Bluetooth5.3 |
通信範囲 | 10m |
有線接続 | 可(3.5㎜オーディオケーブル) |
通話機能 | あり |
マルチポイント | 対応(※2) |
低遅延モード | あり |
折りたたみ | 可能 |
専用アプリ | あり |
充電ポート | USB type-C |
※2 A2DP,AVCTP,AVDTP,AVRCP,HFP,HID
一応お伝えしておきますが、これだけの機能が搭載されてメーカー価格6,980円です。
ちょっと信じられません…。
では、実際に製品を見ていきましょう。
製品をチェック!
外箱を開けると、中は下の写真の様に収められてます。
内容物は以下の通り。
- ヘッドホン本体
- 説明書(多言語版)
- 充電ケーブル(タイプC)
- オーディオケーブル
以上の4つです。
本体ですが、価格から想像していたものよりもかなりしっかりしている印象を受けました。
もっとダイレクトに言えば「安っぽさは全く無い」ということです。
説明書は2つあり、機能説明と専用アプリのダウンロード説明の2つに分かれてます。
左右のヘッドホンの配置も見ていきましょう。
右のヘッドホンには
- 音量ボタン
- 電源ボタン
- オーディオジャック
左のヘッドホンには
- ANCボタン
- 充電ポート(タイプC)
が配置されてます。
ANCとはアクティブノイズキャンセリング(Active Noise Canceling)のこと。これは後で説明します。
もちろん、ヘッドホンは頭の大きさによってサイズをある程度調整出来ます。
ここが良いよ!<おすすめポイント>
では、実際に使用して「ここが良い!」と思ったところを、それぞれの環境に合わせてご紹介しましょう。
フィット(装着)感
ヘッドホンのフィット感はかなり良いです。
安いヘッドホンにありがちな「締め付け(側圧)が強い、弱い」という感覚は一切ありませんでした。
イヤーパッドも硬すぎず、柔らかすぎず、「スポッ」と”耳にはまる”感じが良いです。
これはひとえに40㎜ダイナミックドライバーの恩恵が大きいと感じました。
また、長時間使用による「装着疲れ」もほぼありませんでした。
約270gという”軽さ”も効いていますね。
言い過ぎかもしれませんが、「この価格帯で、この付け心地があり得るのか?」と大変驚きました。
操作性
個人的に、イヤホンもヘッドホンも「見えないから操作しづらい」と感じるんです。
触りながら「このボタン合ってるかな?」みたいに心配になります。
そんな心配を抱きながら操作しましたが、これが思いのほか操作しやすかったです。
上手く言えないのですが、ドライバの”へり”に沿ってボタンが配置されているので、あまり迷うことはありませんでした。
ただ、これは「音量を上げる、下げる」といったシンプルな操作に限ります。
音質
デフォルトの「通常モード」で聞くと、いわゆる「かなり弱めのドンシャリ傾向」かなと感じました。
高音域と低音域が強調されたもので「低音がドンドン、高音がシャリシャリ」を表す言葉として「ドンシャリ」と言われています。
ただ、ANCをオンにすると音がガラリと変わり、弱めのドンシャリから強めのドンシャリになり、音の迫力がかなり増します。
個人的にはANC機能オン以外では物足りなくなってしまいましたw
ANC機能
ANCとは「アクティブノイズキャンセリング」の略で、外部の音をデジタル処理で”打ち消す”機能です。
SOUNDPEATS Spaceでは最大-35dbのノイズ低減を出来るということなので、実際に電車の中やカフェ等で試してみました。
感想としては、思った以上にノイズ低減されていることを実感しました。
感覚的には「音が遠くから少し聞こえるような感覚」でした。
この価格帯のヘッドホンでは十分すぎるほどの性能だと感じました。
バッテリー
ハッキリ言って、バッテリーはかなり凄いです。
このヘッドホンを4週間ほど使いましたが、充電したのは最初の1回だけ。
「いや、いつ(バッテリーが)切れるの?」と驚いたほどです。
これだけ持つと、一人旅などでも余裕で持っていけます。
更に、急速充電にも対応しており、たった10分の充電で12時間持つという…。
今一度言いますが、これで7000円しませんからね。
専用アプリ
専用アプリがあるのもGOODです。
アプリを使えば、Bluetoothで接続した際にバッテリー残量やイコライザーの調整などが出来るので、非常に便利。
イコライザーも「低音強調」「高音強調」「クラシック」「ロック」などシーンに合わせた音質を選ぶことが出来ますし、より細かいイコライザーの調整も可能なので自分好みの音質に調整出来ます。
これらをすべてアプリ上で出来るのがとても良いです。
ここがイマイチ…<気になるポイント>
上記とは逆になりますが、実際に使用して「ここがイマイチだったなぁ」と感じた点もご紹介しましょう。
外音取り込みモード
ヘッドホンを使用しながら、周りの音を取り込む事ができる「外音取り込みモード」。
便利そうではありますが、「外音取り込みモード」にすると、ANCモードと比べ音がスカスカになります。
まるで迫力がありません。
同時に、音漏れも大きくなったように感じました。
なので、外音取り込みモードは広く開けた場所では有効ですが、電車内といった閉鎖された場所では気を付けた方がいいと思います。
オーディオケーブル
このヘッドホンには、付属品にオーディオケーブルがあります。
オーディオケーブルが付属しているのは珍しくないのですが、ケーブルの長さがめちゃくちゃ短い!
Xperiaのようなオーディオジャック付きスマホにしか使えない短さです。
正直なところ、これだったらオーディオケーブルは別売にして、専用ケースが付属していれば良かったかなと思いました。
専用アプリ
SOUNDPEATS Spaceには専用のアプリがあることはお伝えしました。
が、これは「ワイヤレスに限り有効」です。
有線接続した場合にはイコライザーの調整は出来ません(ANC機能のON/OFFのみ)。
欲張りかもしれませんが、有線接続でイコライザーの調整が出来れば本当に最強だったと思います。
他のヘッドホンと比較してみた
せっかくですので、私が持っているヘッドホンと比較してみましょう。
※あくまで個人的な感想です。
ATH-WS1100
オーディオテクニカの「ソリッドベースシリーズ」のヘッドホン(有線)で、私の一番お気に入りです。
聴き比べて感じたこととして、SOUNDPEATS SpaceはANC機能を使うと、音の迫力は大差ないと感じました。
逆に言えば、大差ないと感じたことに少し驚いてます。
明確に分かる違いとしては。音のキレの良さがATH-WS1100のほうがハッキリしてます。
SOUNDPEATS Spaceは音の迫力はありますが、「ドンシャリ」の「ドン(低音)」が強めなので「シャリ(高音)」が少しぼやける印象なんですよね。
けど、これは聞き比べして初めて気づいたレベルなので、気にならない人は全く気にならないと思います。
低遅延ゲームモードについて
SOUNDPEATS Spaceにはゲームでの使用を想定した「低遅延ゲームモード」というのがあるのですが、正直これは使う機会がありませんでした。
逆に言えば、「低遅延ゲームモードを使わずとも普通に使える」という裏返しでもあります。
となると「なぜこのモードがイマイチなのか」の説明がつきませんよね。
これは持論にはなりますが、ゲームでヘッドホンを使う人って『コールオブデューティー』のような「より細かい音を立体的に把握したい人」が使うイメージなんですよね。
そういう人たちって、それに特化したヘッドセットを持っているのでSOUNDPEATS Spaceを使う機会が無いと思っているんです。
比べようもありませんが、実際に私もPS5専用ヘッドホン『PULSE3Dワイヤレスヘッドセット』とSOUNDPEATS Space比べましたが、立体音響を忠実に再現できる『PULSE3Dワイヤレスヘッドセット』が抜きんでていました。
このように、ゲーム専用にチューニングされたヘッドホンはそれ単体で使用した方が良いのです。
なので、個人的には「低遅延ゲームモード」は不要な機能なのかなと感じました。
こんな人にオススメ
とは言え、使用シーンを1つに絞らなければ圧倒的な体験をすることが出来るSOUNDPEATS Space。
自分なりに感じた「SOUNDPEATS Space ワイヤレスヘッドホン」はこんな人にオススメだとという点を纏めてみました。
- コスパ重視(高いのは要らない)
- 外出先で使う機会が多い(バッテーリー長持ち)
- 自分好みの音に設定をしたい
- 家では有線、外では無線と1台で使い分けたい
- 迫力のある音を楽しみたい
- 主にロックミュージックを聴く人
総評
多機能であるがゆえにそのコスパに注目が集まりますが、私が一番良かったと感じたのは「着け心地」だったんですよね。装着感が良いと言いますか…。
ヘッドホンは音を聞くことはもちろんですが、耳を覆って塞ぐので装着感はめちゃくちゃ大事だと思うんです。
あと、6,980円という安価にもかかわらず大きな欠点が見当たらないというのが何より良いです。
よほど音に強いこだわりが無ければ、これ1つでたいていの事は満足いくのでオススメしやすいヘッドホンでした。
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